トリー バーチの2018年春夏コレクションの様子。

 男性の場合は好意的に受け取られる“野心”も、女性の場合はネガティブな印象をもたれがち。かつてその言葉を堂々と言えなかった彼女が、いまは「成長、繁栄を遂げるためには野心を隠す必要などないのです」と明言し、起業を目指す女性たちを励ましている。

タイムマネージメントが大事

 起業家としての成功を生かし、彼女は2009年に女性起業家を支援する「トリー バーチ財団」を設立。昨年10月、早稲田大学・大隈記念講堂にてグローバルな起業家育成を目的とする「WASEDA‐EDGE人材育成プログラム」の主催で講演を行った。

「日本での講演会は素晴らしい経験だったわ。将来、トリー バーチ財団を日本でも展開したいですね。 アメリカでは女性起業家が増えており、かつ女性のビジネスは長続きするといわれています。女性の97%が借金をちゃんと返済するというデータもあるほど。まあ、男性が返さないとは言いませんが(笑)。しかも、女性は働きながら家族の世話もするでしょう? 女性に投資するのはいいことですよ!」

 起業家としての自信と責務をにじませるトリーさんだが、常に自分は素晴らしい母親か、素晴らしいCEOかと自問してきたという。

「どんなことがあっても、息子たちをいちばんに優先してきました。そのためにはタイムマネージメントが大事。働く女性が輝き続けるためには、柔軟性が鍵となります。会社を立ち上げたとき、自分が働きたい! と思う会社をつくろうと考えていました。キャリアか、家族や情熱を注ぐもののどれかを選ばなければいけない環境にはしたくなかったのです。みんながよく働いて、タイムリーにオフィスを退出することが肝要ですね」

 さらに、後進を育成し、社内のコミュニケーションを向上させるために心がけていることがあるそう。