夫婦であり映画をともにつくる「同志」。それが女優を続けられた理由。

 もともと、私も篠田も松竹に在籍。結婚後、いっしょに独立プロをつくってからも、私は松竹にいました。彼は、独立して漠然とした不安があったようですが、私は、篠田の才能を確信していたので、「なんとかなるわよ」って、すごく楽天的な励まし方をしていたんですね。それが心強かったって、後々、篠田に言われました。彼のどこに惚れたか、ですか? そうですね……。才気煥発なところ。それから、人間的な優しさが彼にはありますね。付き合い始めたのは彼が監督した1964年の『暗殺』の後です。会うと、映画の話ばかりしていて、かなり触発されました。実はその前に撮った『五瓣の椿』で、第15回ブルーリボン賞主演女優賞をいただいて、女優をやっていく決意が固まっていました。そんな流れもあって、やはり私は篠田を尊敬していますし、篠田も私を女優として認めてくれていたと思います。そして、お互いに結婚したからダメになったっていわれたくないというプライドもあったのかもしれないですね。二人とも映画が好きで、映画をつくることが最大の楽しみですから。夫婦であり、同志です。私がほかの監督の作品に出演している時は応援してくれていたし、女優としてさらに磨きをかけてほしいという願いが彼の中にいつもありました。だから私も、彼の作品に出演するのはかえってプレッシャーでした。隠れたところで勉強したりして(笑)。60年、女優として走ってこられたのも、その緊張感があるからかもしれません。

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