──さて、最後に歌舞伎、宝塚、そしてお二人の未来、についてお伺いしたいのですが。

坂東 今の宝塚の子たちは本当に美しくなった。メイクも鬘もかなり進化して、“男ぶらずに男になる”という感じになってきましたね。

凰稀 先輩方がつくられてきた“男臭さ”も素晴らしい財産でしたが、そこから進化した、今の時代にフィットした男役というのも必要なんですよね。古きよきものを上級生から下級生へと受け継ぎながら、新しいものも恐れずに取り入れてほしい。ただし、宝塚はやはり夢の世界なので“品格”だけは絶対に死守するべき。どんな場所にいても、一枚ヴェールを被ったような状態で存在してほしいですね。私自身の話としては、やはりお芝居が好きなので、それをずっと続けていきたいと思っています。舞台も映像も歌も。越路さんの歌も、もっともっと歌い続けていけると幸せですね。

坂東 僕個人としては、演出家として生きていきたいという考えはあります。歌舞伎や宝塚に限らず、これからは“ライブ”が難しくなっていく時代だと思うんです。全体の人口、若者が減り、さらには会場に足を運ばずともインターネットですべてが完結してしまう。どの職種でも同じだと思うのですが、この時代に合わせていくことがとても大変なんですよね。あらためて“未来”という言葉を使わせていただくなら、目の前にあることを続けていく、「つくり続ける」しかないのかなと思いますね。

凰稀 私はもう宝塚を退団しているので、将来を担う下級生たちに頑張ってもらわないと(笑)。それをどう伝えていくかも課題です。

坂東 まさにそう。実際に将来をつくるのは次世代の子たちですから。今は先を考えず、お客さまたちが夢を見られるようなものを、じっくり丁寧につくること。それが結果“未来”に繋がっていくんだと思います。

[画像のクリックで拡大表示]

坂東玉三郎さんと凰稀かなめさんの最新情報

昨年発売されたアルバム『邂逅 ~越路吹雪を歌う』を記念し、スペシャルコンサートを5月3日(木)大阪フェスティバルホールにて開催予定。出演は坂東玉三郎ほか、真琴つばさ、姿月あさと、凰稀かなめ、海宝直人。お問い合わせ:キョードーインフォメーション TEL:0570-200-888
[画像のクリックで拡大表示]
4~7月『1789─バスティーユの恋人たち─』帝国劇場、大阪新歌舞伎座、博多座にて、マリー・アントワネット役(Wキャスト)に出演。6~7月は銀河鉄道999 40周年記念作品『銀河鉄道999 ~GALAXY OPERA~』に、クイーン・エメラルダス役にて特別出演。明治座、北九州芸術劇場、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティなど。
[画像のクリックで拡大表示]

Photos: Katsuo Takashima Text: Miho Maeda