フランス出身で日本でも人気の高い写真家、サラ・ムーンの写真展が、銀座のイベントスペース「シャネル・ネクサス・ホール」で5月4日(金)まで開催されている。今回は、会期が始まる前日に行われたプレスプレビューの模様をリポート。

巡りゆく日々のなかに現れた、“メランジェ”の妙

Ⓒ CHANEL NEXUS HALL

 眩いほどの純白の空間に展示されたサラ・ムーンの写真は、深い陰影の向こうに吸い込まれそうな奥行きを見せ、整然と佇んでいた。

「シャネルから“白紙委任”でこの個展を引き受けましたが、まさかこんなに白いとは思いませんでした」

 スピーチを求められたサラはそんな冗談でかわしていたが、この真っ白な空間を切望したのは今回の構成を司った彼女自身だ。モノクロとカラー、静物と風景、人物と剥製、いつものようにさまざまな要素が謎めいた配置で混合する展示構成。壁面に直線と十字形が繰り返されるレイアウトは、鑑賞者が切り取る視界によって、イメージの組み合わせが変化し、そこに立ち現れる事物の関係性がまったく違ったものに見えてくるから油断ならない。なかには、撮影後、長年しまいこまれていたポジフィルムをこの展示のために初めて現像し、焼きつけた作品も。

「まさに、巡りゆく日々のなかに現れた、その“メランジェ”(=混合)の妙を味わってほしい」とサラは語る。