これまで全世界で映像化され、そのたびに個性的な「ホームズ&ワトソン」のコンビを生み出してきた『シャーロック・ホームズ』。新たな作品として、4月27日からHuluとHBO Asiaが共同製作したドラマ『ミス・シャーロック』の配信が始まる。その大きな話題は「女性ホームズ&女性ワトソン」という、女性コンビの誕生だ。ヒーローでありヒロインであるシャーロックを、時にハードに、時にコミカルに演じるのは、女性からの支持も抜群の竹内結子。時代の流れを汲み取るように完成したこの作品を、今、彼女が選んだ理由とは?

自分勝手にふるまう主人公、その自由を演じる快感

──この作品のシャーロック役をどのようにイメージしましたか? もともとは男性キャラクターで、しかも相当な変人だと思うのですが……。

 既存の『シャーロック』作品は見ないようにしました。ベネディクト・カンバーバッチさんのシリーズも、オファーをいただいた時点で見るのをやめました。原作小説も生い立ちに触れそうになったところで。自分のなかでイメージしたシャーロックの生い立ちが、演技に出るほうがいいなと思って。

「探偵」を演じるという意識はなく、「シャーロックという変な生き物」――事件に臨むときに普通ならあるはずの「正義感」が欠落し、目の前にある謎への好奇心しかない――になれたらいいなと。“奇妙なもの”に夢中になるところは……ちょっと臭いの強い食べ物を好む人の感覚を想像して広げていきました。クサいはクサい……けど好き! みたいな(笑)。そこは面白かったですね。

──ご自身と重なるところはありましたか?

 重ねたくないところですが(笑)、共感が皆無だと演じることができないし、そういう要素もあるのかな。例えば、好きなものを熱く語ってしまうところとか、集中していると人の話を聞いてないところとか。でも、シャーロックがツボにハマってワーッと早口でまくし立てるような場面は、ついていくのが大変でした。その内容を彼女は理解しているけど、私自身は化学式とかさっぱりわからないので。

 むしろ貫地谷しほりさん演じる和都(原作におけるワトソン役)目線になってしまい、「この人なんでこうなんだろう……」と思ってしまったり。でもそれも演じるうちに快感になってきて。他人を気にせず、自分勝手にふるまえたら、人間はこんなに自由なのかと。ただ彼女が一人になってしまうのも、そういうところからくるのかなと。

──これほど世界中で知られた作品で、プレッシャーなどは感じませんでしたか?

 きましたね、その質問(笑)。オファーをいただいた当初は感じていませんでした。単純に面白そうだなと。時代を現代に、さらに主人公を女性に置き換えたら、目線も変わってくるだろうし、日本っぽさがどう出せるのかなというのも楽しみで。でもいろんな人にお話を伺ううちに、そういうことなんだ……と分かってきて。今はむしろ「誰がやっても文句を言われるに違いないこの題材に、挑んだ私を褒めてほしい!」という気持ちです(笑)。