あらゆる世代の女性から共感を得た、揺れ動くヒロインの心情

 2005年、香港。30歳を目前に控えたクリスティ。勤め先の化粧品会社では働きぶりが評価されて昇進、長年付き合っている彼氏もいて、充実した日々を送っている。が、実のところ、仕事のプレッシャーはキツいし、彼氏とはすれ違いがち。父親に認知症の症状が出始めたのも気がかりだ。そんなある日、住み慣れたアパートの部屋が家主によって売却され、退去を言い渡されてしまう。とりあえず見つけた部屋は、住人がパリ旅行に行っている間だけの仮住まい。クリスティは、そこに住んでいるティンロという女性の日記を見つける。偶然にも誕生日が同じだとわかり、部屋の主に興味を持ち始めたクリスティは、そこに書かれているティンロの、自分とはまったく違う日常に惹かれていく……。全編にちりばめられた、香港映画への愛情たっぷりのオマージュも見どころのひとつ。

監督・脚本:キーレン・パン 出演:クリッシー・チャウ、ジョイス・チェンほか
5月19日(土)から、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて公開
©2017 China 3D Digital Entertainment Limited
キーレン・パン
1975年香港生まれ。女優、演出家。名門芸術大学である香港演芸学院を卒業後、舞台女優として活躍。2004年に香港戯劇協会の奨学金でパリの演劇学校スタジオ・マジュニアで学ぶ。帰国後、プロダクションを設立、同年に一人芝居『29+1』を発表。’13年までに6回の再演を数える。2017年に同作を映画化(邦題『29歳問題』)し、大ヒットを記録。「香港のアカデミー賞」と呼ばれる香港電影金像奨映画賞の新人監督賞を獲得したほか、国際的な映画祭でも高い評価を獲得する。’11年には香港電台と香港戯劇協会による「この20年間で最もインプレッシブな女優」に選出。脚本家、作家などとしても幅広く活躍。

Photos:Akinobu Saito(Portrait) Interview & Text:Shiho Atsumi Edit:Kao Tani

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