ずっと働き続けたい。だからこそ問いたい「何のために働くのか」

──今回の作品では主人公の30代後半~40歳までの数年間が描かれていますが、例えばこの年代でやっておくべきギアチェンジのようなものはあるのでしょうか?

 恋愛に関して、自分自身のことを言えば、以前の私はすごく狩猟体質で。自分に気がない人を、追いかけて追いかけて振り向かせることに意義を見出すような、そんなむちゃな恋愛をしていたんです。でも年齢を重ね、自分の生活ペースが決まってきた今は、やっぱり一緒にいて無理のない人、ホッとできる人がいいなと思うようになっていますね。もしかしたら恋人に限らず、友達でも仕事仲間でも同じことがいえるかもしれません。体力的にもそれまで通りとはいかなくなってくるし、腰も重くなってきますよね。そういう変化から目を背けず恐れず、勇気をもって選んでいくことも大切かなと思います。

ナゾのクリニックの院長を演じるのは広末涼子さん。毛髪から恋愛遺伝子を分析するというが、果たして飛鳥の恋の救世主となるのか……。
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──お仕事のペースなどで、考える部分はありますか?

 私の場合、こうしてお仕事をさせていただくようになったのが、ある程度の年齢になってからでした。ですから、どんなお仕事もありがたくお引き受けする、それこそ「来た球すべて打ち返して爪痕を残したい!」というハングリー精神だけでやってきたところがあります。

 でもあるときふと、「私は何を励みに仕事をしているんだろう?」と思ったことがあって。それまでは「応援してくださるファンの方の喜ぶ顔が見たい」「女優として期待してくださる方に応えたい」という思いだけで、そんなことを考えたことはなかったんです。そんななかで「なんのために?」という思いが浮かんできたのは、やっぱり「仕事だけのための人生」になっていることで、心がすり減っていたからじゃないかと。この仕事をできるだけ長くやっていきたいなら、そういう状況を放置してはいけないなと、改めて思いましたね。

──仕事、恋愛に限らず、「必要とされることが嬉しい」というスタンスから、抜けていく、そういう年齢なのかもしれませんね。

 そうかもしれません。以前はそういう思いが強かったのですが、次第に「誰のための人生なのか?」という部分も考えるようになりますよね。もちろん応援してくださる方、期待してくださる方への感謝は大前提としてありながらも、自分の人生を生きること、自分の求めているものも大事にしていきたいなと。