遅咲きでありながら、今やドラマや映画に引っ張りだこの女優・吉田羊さん。公開される初の単独主演映画『ラブ×ドック』では、仕事では実力あるパティシエとして認められながらも、プライベートでは恋愛で手ひどい失敗を繰り返してしまうアラフォー女性を、リアルに演じている。働く女性にとって、仕事とプライベートとのバランスがより難しくなってくるこの年代に、迷走しないためにはどうしたらいいのか。「来た球すべてを打ち返すように働いてきた」と語る彼女の、この年代だからこその“ギアチェンジ”とは?

仕事優先で生きてきた女性にありがちな「恋愛抵抗力の弱さ」

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──最新作『ラブ×ドック』で演じた主人公、飛鳥をどのように理解して演じましたか?

 器用な人に見えますが、実は努力の人なんじゃないかと思います。仕事においては自信があるからこそ誇りも持っているなと。その一方で恋愛は「学習しないなあ」と感じるところもありますが、自分の心に正直にしか生きられないんですよね。それが彼女の一番の魅力のように思いました。でも喜びも悲しみも併せ呑んだうえで、「これが自分の人生だから」と肯定し受け入れる、そういう考え方はすごく共感できるし、自分にも似ているところがあるなと思います。

──さまざまな人と付き合っては失敗を繰り返す飛鳥を、「彼女は恋愛に何を求めているんだろう?」と思いながら観ました。

 彼女のように仕事を優先して生きてきた女性は、それなりのプライドがあるし、「恋愛を後回しにしても大丈夫」という根拠のない自信を持っている人が多い気がします。でもそういう人に限って、「不意に訪れた恋愛」に対する抵抗力が弱いんですよね。それに恋愛のチャンスが得にくい状況にあると、「求められている」というだけで、応じてしまうところがあるのかもしれません。

 飛鳥の場合もそうですが、どの相手も自分から好きになったわけではなく、向こうの求めに応じて「なし崩し」的に始まっていますよね。「この人には私が必要なんだわ」という、なんだったら「人助け」みたいな感じに近くなっているのかもしれません(笑)。

──「職場恋愛」の難しさも感じました。自分が相手の「仕事」を尊敬しているのか、好きなのか。相手が自分の「仕事」を認めているのか、口説きたい口実なのか。それを見極めにくいというか。

 確かにそうかもしれません。一生懸命働いている女性にとって、仕事で認められることはすごく嬉しいこと。それだけに、下心があると余計に傷ついてしまいますよね。でも「恋は盲目」というし、そういう見極めができなくなるのが恋という気もします。仕事であれ女性としてであれ、どちらにしても必要とされてるんだから……という気持ちになってしまうところもあるのかも。これを見極めるのって、本当に難しいですよね。

 私だったら……そうですね、結婚したいという気持ちがあるのなら、「家族に会う?」と聞くかもしれません。

──なかには「別れるなら早いほうがいい」と、飛鳥から強引に断ち切ってしまう関係もありました。

 冷静に考えると別れる必要はなかったかもしれませんが、この作品のなかであのセリフこそ最も共感した部分でもありました。私自身、自己防衛のために防御線を張ることを繰り返してきたタイプですから、傷つかないために、傷が浅いうちに、という思考回路はすごく理解できましたね。

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