「例えばマグロ。背のほうから赤身、中トロ、大トロとなりますが、一番DHAが多いのは中トロ部分。赤身は、タンパク質は多いのですが、DHAの量としては中トロの4分の1程度です。一方、大トロのDHA含有量は単位重量で見るとさほど中トロと変わらないのですが、飽和型の脂が2倍もある。タンパク質とDHAを摂取することを考えるなら、赤身と中トロがベストです」

「また、マグロの目の裏の眼窩脂肪には35〜40%のDHAが含まれており、中トロは27%程度なので、比較するとその含有量の高さは明白。なぜ、それだけのDHAが含まれているかというと、魚にまぶたがないことが関係しています。目を開けっ放しにして高速で泳ぐため、水圧に負けないクッション性の高い脂肪が必要で、しかもその脂は低い水温でも固まらないものでないとならない。DHAの融点はマイナス35℃。動物の油は常温で、植物性の油はフリーザーで固まりますが、魚油はマイナス18℃でも固まりません。常に液体状に保たれるため、これが人間の体内に取り込まれると、血管やシナプスといった細胞の柔軟性につながるわけです」

マグロでも部位によってDHA/EPAの含有率は変わってくる。積極的にDHAを摂取するには目玉の裏や中トロをメインに食べるのがベスト。とろける美味しさの大トロも、その脂の半分は牛や豚と同じ飽和脂肪酸と考えると、体のためを思うならセーブしたほうがいい。