ここまで読んで「じゃあ、今晩は魚をメインに」という献立を頭に浮かべた人も少なくないだろう。では、どうやって食べるのが一番効果的なのか。調理法はどのくらい影響を及ぼすものなのだろう?

「魚を例にすると、魚に含まれるDHA/EPAという成分は酸化しやすいため、生で食べた場合が一番多く摂取できて、焼く、茹でるでは、ほとんど同じ結果が出ました。揚げた場合はほぼ摂取できません。でも、魚をタンパク質摂取という面から捉えると、ペプチドまで分解するのに時間がかかるため、生で摂取するよりは、揚げるのも含めて、焼いたり煮たりと火を通したほうがいい。同じ食材でも調理法が違うだけで、摂れる成分が大きく異なるんです。例えばイワシをたくさんもらって大変だという場合も、新鮮だからといって全部刺身にするのではなく(笑)、手間はかかるかもしれませんが、ぜひいろいろなメニューにトライしてください。これは、魚だけでなく野菜も同じ。いろいろな食材をいろいろな調理法で味わうことで、体の調子は整っていく。そんな意味からも、“食卓を楽しむ”ことを大切にしてほしいですね」


「糖質制限」は老化を招く?

過度の糖質制限は、60代半ば以降になってからの老化を加速させる──それが、都築先生が最近発表した研究結果だ。若いうちは体の頑張りが利くので、「痩せる」などのよい面のみクローズアップされるが、高年齢になり細胞が衰えだすと、顕著にその影響が出始めるという。要は、昔から言われていることだが、何でも無理なく偏りなく、さまざまな調理法で食べることが体にとっては最善のようだ。



都築 毅准教授
東北大学大学院
農学研究科
都築 毅准教授 1975年、愛知県豊田市生まれ。東北大学大学院農学研究科博士課程修了。宮城大学食産業学部助手、同助教を経て2008年より現職に。専門は食品機能学。著書に『昭和50年の食事で、その腹は引っ込む』(講談社+α新書)など。

Illustrations: Tomomi Minemura Photo: Tsuyoshi Ogawa Text: Miho Maeda Editor: Aya Aso

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