2017年初頭にカルティエがオープンした、パリ・右岸の「ジュエリー インスティテュート」。研修⽣から熟練職⼈まで、カルティエの社内外でジュエリー制作に関わる⼈々が、さまざまな技術を学んでいる。NikkeiLUXEは、⽇本のメディアとして初めて、この特別な施設を取材。研修⽣になりきって、ジュエリー制作のプロセスの一部をリポートする。

ジュエリー界の将来を担う、カルティエ「ジュエリー インスティテュート」

「ジュエリー インスティテュート」の⼀⾓には、昔ながらの⼯具が置かれた、ベテラン職⼈の作業台が再現されている。

 今回訪れた「ジュエリー インスティテュート」は、1793年に私邸として建てられた建物の4フロアを使用。館内はステンドグラスや壁のくり形装飾など、クラシックな趣を残している。ジュエリー制作技術のトレーニングに関するすべてを集約することを目的に、カルティエが昨年末に入手した建築物だ。

 そんなアート心を刺激するこの施設で、活動の核になっているのは、カルティエに所属する職人たちのさらなる技術の向上だ。トレーニングはひとり1週間を目安に、年間約120人を対象に、のべ6000時間ものコースが組まれ、ときには熟練技術者自身が、特別にトレーニング内容を練ることもあるという。これはインスティテュートと、実際に制作しているアトリエが密接な関係にあることを物語っている。これにとどまらず、技術以外の部門の社員が参加できる、ジュエリー制作に関するノウハウを学べるコースも用意されている。

 一方で、「ジュエリー インスティテュート」の存在は、単にジュエリー制作の技術を習得するだけでなく、カルティエがジュエリー業界全体を牽引する役割をも担っている。パリ市内にいくつかあるジュエリー・スクールのインターン生を受け入れる数も、一連のジュエラーの中ではダントツ。また今回の「体験型ワークショップ」のように、取材を希望するメディアに対し、ジュエリーができるまでの基本的技術も伝えている。