一年に一度、ハイジュエリー・コレクションを発表しているカルティエの2017年のクリエイションテーマは、フランス語で“反響”や“共鳴”を意味する「レゾナンス」がテーマ。比類ないクオリティの宝石が放つオーラを、見事にデザインに昇華。100点あまりのジュエリーを取り揃えているコレクションのなかから、ほんの一部を先行公開する。

“はじめに⽯ありき”の考え方を反映した「レゾナンス ドゥ カルティエ」

 限られた顧客に向けてジュエラーが毎年発表する一点もののハイジュエリーは、ほとんどの人に馴染みのない世界。とはいえ、デザインの意味合いや技巧などジュエリーに関する知識を得ることで審美眼を磨けば、馴染みはなくともその素晴らしさの一端は理解できるようになるだろう。その観点で味わいたいのが、今回のカルティエの最新ハイジュエリー・コレクション「レゾナンス ドゥ カルティエ」だ。

 「レゾナンス」をテーマに掲げた背景には、デザインに合わせて石を探すのではなく、“はじめに⽯ありき”というカルティエのクリエイション・ポリシーがある。主役を張る石を選ぶ際には、大きさやカラット数だけではなく、輝きや透明度、色などさまざまな観点から群を抜いた石を吟味。その石が放つオーラ、バイブレーション、エネルギーを感じ取り、イマジネーションを膨らませつつデザインしていく。

今年の「イノベーション・ピース」は、二つの側⾯が楽しめるブレスレット、「EURYTHMIE」。ピンクゴールドにダイヤモンドとラピスラズリを配して。

 今回のコレクションのジュエリーには、グラフィカルなデザインやリズム感のあるライン、そして均整のとれたボリュームに、カルティエ特有のスタイルが感じられる。前回紹介した体験型ジュエリー・ワークショップで手彫りした「パンテール」や、数種のフルーツモチーフをちりばめた「トゥッティ・フルッティ」など、アイコニックなデザインも含まれる。そして、同時に二本の指にはめるダブル・リングやイヤーカフなど、コンテンポラリーなデザインも登場。その多様性は、歴史を重んじつつ時代の空気にも敏感なカルティエらしさともいえる。

 また、コレクションに顕著に表れているのは、マルチな機能を備えた「イノベーション・ピース」だ。センターピースを取り外してブローチやイヤリングにも使えるネックレスをはじめ、ティアラとしても楽しめるネックレスは、「レゾナンス ドゥ カルティエ」においてヒロイン級の存在感がある。毎年、特許に値する斬新なメカニズムを取り入れたデザインが発表され、今年は二つの顔を持つブレスレットが登場した。瓦(かわら)や鱗(うろこ)のように幾重にも重なるモチーフはそれぞれゴールドで縁取られ、一面はダイヤモンド・パヴェ、もう一面はラピスラズリとダイヤモンドを使用。一方向になでるとこのモチーフが回転し、別の側面が顔をみせるという、画期的な動きが見所となっている。

ティアラにもなる2WAYのネックレス「HYPERBOLE」。140.21ctものコロンビア産エメラルドは、色、大きさともに最高峰。