「ベーシックは万能」――。そう言いながら、クローゼットの定番をもう何年も無意識に着続けてはいないだろうか。ファッションは人間関係そのもの。“着ている服で損をしている人”にならないために、いま一度ベーシックを見直してほしい。着こなしがルーティン化しがちな大人のための短期集中連載。初回は、働く女性の必需品であるシャツについて考える。

シャツの時代性は、さりげないシルエットに表れる

シャツ¥55,000/シャルベ (ブラミンク 03-5774-9899)

 キャッチーなトレンド服で身を固めていればそれなりに映えた若いころとは違い、大人になるほど「ベーシック」を上手に着こなしている人が素敵に見える。とりわけ年相応のきちんと感が求められるビジネスシーンにおいて、その傾向は顕著だ。でも、それは必ずしも「ベーシック」が万能だから、というわけではない。素敵な人は、つねに“今”のフィルターを通して、着るものを精査し更新している。それが周りからは、“感度が高く、自分自身を客観視できる洗練された女性”として映るのだろう。

 たとえば、「ベーシック」の代表格であるシャツ。トレンドを超えた定番的なデザインでも、あるときふと時代遅れに感じる瞬間をやり過ごしてはいけない。“上質さ”は大人の基本条件として、シャツにおいてもっとも時代性を反映するのは、実は“シルエット”なのだ。今季おすすめしたいこの一枚は、くびれを意識することなく、身ごろにややゆとりを持たせたシルエットが特徴的。シャツの中で少し体を泳がせて着る。さりげないことだけれど、「ベーシック」という枠のなかでは、それだけでぐっと新しい顔になる。