肌は、私たちにとって代えのきかないドレス。しかも、一生もの。そんな宝物なのだから、将来に向けて、そろそろ真剣に“投資”を考えませんか? この連載では、ちょっぴり贅沢ではありますが、それだけの投資の価値と結果が得られるスキンケアやボディケアをご紹介します。第2回は白神山地で見た、アルビオンの夢の取り組みについて。

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アルビオンの白神パイロットファームで栽培中の植物は約45種。その中で原料としてすでに自社製品に供給中のものは5種、それ以外の約40種は試験栽培中だそう。

 この連載のタイトルは「グルメなコスメ、リュクスなスキンケア」、さらにはサイト自体の名前も「NikkeiLUXE」だが……大前提として、何をもってリュクスとするか。リュクスの定義とは? 対象はモノ? それともコト? 個々人の感覚と経験によるところの大きい、非常に振れ幅のある価値観だと思うが、少なくとも、札束と引き換えに物質的な何かを手に入れることばかりではないような気がする。

 むしろ、いまどきのそれは、未来につながる挑戦、明るい展望のような、心沸き立つ信念のある物語ではないだろうか。そしてそんな「モノよりコト」なリュクスを感じさせてくれるのが、アルビオンの社を挙げての取り組みである。

 先日、秋田県・藤里町(ふじさとまち)、いわゆる「白神山地」として知られる地域にお邪魔する機会があった。白神山地とは、世界自然遺産にも登録されている、秋田県北西部と青森県南西部にまたがる広大な山地帯。アルビオンは6、7年ほど前から、そこに実験的なファームと、保育園だった建物を改装したラボを置いている。かねがね興味深いプロジェクトとは思っていたが、百聞は一見にしかず。実際に現地を訪れてみると、さまざまな気付きと感動があった。

 真夏の白神パイロットファームには、未来を感じさせるハーブがたくさん育っていた。植物たちを育成する目的は、自社での原料開発と原料供給。合計面積27,411㎡とまだまだ小さなファームだが、すでにそこで収穫したハーブを配合した製品も、少しずつ市場に出ているという。ヤマヨモギやカレンデュラが整然と並ぶ綺麗な畑には、厳選したハーブを土地に根付かせ、育て、やがて原料を自給自足しようという究極のオーガニック構想が見える。

 通常、化粧品の原料(植物エキス)とは、原料商社から買い付けるもの。そこから一歩進んだとしても、農家と契約し「育てて」もらうのが半ば当たり前、業界の常識である。その植物原料の大半を、やがては自社栽培でまかなおうというのだ。十数人規模のベンチャーなコスメカンパニーならともかく、全国津々浦々の百貨店・化粧品専門店にカウンターをいくつも構える大会社が、である。昨今は日常的なファームの管理者、研究員を地元で採用。白神の良質な水と土で、除草剤を使わずに育てたハーブや花々を、ミツバチと競うようにして収穫し、乾燥や分別も社員の手で。しっかり「もと」が取れるのは、きっとン十年先。だが単なるプロジェクトの規模をはるかに超えた、この壮大な取り組みは、結実すれば唯一無二、夢の“コスメの畑”を実現させる。

 そうしてでき上がった製品には、現在何より重要視される究極のトレーサビリティ(安心・安全につながる)はもとより、作り手の熱い思いが込められている。それはどんな有用成分にも勝る、手塩にかけた愛情というエッセンスだ。

「合理的」のあえて反対側を行くーーこれをリュクスと言わずとして何? と心より思うのである。

Photos, Text & Edit: Aya Aso

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白神育ちの植物が配合されたコスメ、第1弾は……
2011年9月に発売されたイグニスの「モイスト ネイチャーミルク」(写真)は、白神産のヨモギ水(ヨモギ葉水)を配合した最初の製品だった。その後2015年3月に白神産満点ヨモギ(8月〜9月初旬に収穫のもの)から抽出したエキスとヨモギ水を配合した「ネイチャーミルク α」を発売。同年9月には白神産熟成ヨモギエキスを配合した「エモリエント ネイチャーミルク」が、翌2016年3月には白神産初摘みヨモギエキスを配合した「フレッシュ ネイチャーミルク」が登場し、現在もその2種が発売されている。
イグニス
TEL:0120-664-227

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