印象的な赤・緑・紺の配色、ユニークなトロンプルイユ(だまし絵)の技法、「バゴンギ」などのバッグが、長く愛されてきたブランド、ロベルタ ディ カメリーノ。その誕生の秘話や、創業者であるジュリアーナ・カメリーノの生き方、名作デザインに込められた想いなど、ブランドの知られざる魅力を3回の連載で探る。第1回は、ジュリアーナがナチスによる迫害から逃れ、ブランドを起業したストーリーと、アイコンバッグであるバゴンギについてフォーカスする。

アイコン的存在のバゴンギバッグが生んだ“自由”

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〈左〉バゴンギメリディアーナ レッド×グリーン S(W27×H12.5×D12.5cm)¥230,000〈右〉カラベラメリディアーナ ブラック×レッド ML(W30×H17×D12cm)¥220,000(ともにロベルタ ディ カメリーノ本店のみ取り扱い)

 今年、誕生70周年を迎えたバゴンギバッグ。バゴンギという名前は、創業者であるジュリアーナが幼い頃に好きだった道化師の名前からとられたものだ。19世紀の医者たちが使っていた鞄にインスピレーションを受けたというクラシックなフォルムを、美しいカラーのベルベットが彩る。実はそれまで「バッグの色は靴の色と合わせなければならない」というのが着こなしのルールであり、常識だったが、ジュリアーナはこうした従属的なバッグのあり方を否定し、自由に個性を主張。素材は、当時バチカン御用達だった織元(ベビラックワ)による、高価な手織りのベルベッドをふんだんに使い、そのなめらかな手触りと深みのあるカラーで、今も女性たちを魅了し続けている。

1日にわずか40cmしか織ることができない、宝石のようなベルベット

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2017年秋冬の新作はトレンドカラーの赤と、シックなブラック×グリーン。〈左〉バゴンギメリディアーナ レッド×レッド M(W36×H13.5×D16cm)¥240,000〈右〉カラベラメリディアーナ ブラック×グリーン S(W24×H13.5×D12cm)¥215,000(ともにロベルタ ディ カメリーノ本店にて予約受付中)

 バゴンギに使われている生地は、18世紀の木製織機を使い、職人が一枚一枚丁寧に織ったもの。1日でわずか40cmの長さしか織ることができないという、特別なベルベットだ。さらにバッグが完成するまでには、48もの工程を要する。こうして伝統的な手法を大切にしているからこそ、独特の存在感とエレガンスが生まれるのだ。