フランスのラグジュアリーブランド81社と歴史的文化施設14団体により構成される文化機関、「コルベール委員会」。フランス流の美しい暮らしをグローバルに伝えるべく活動を続ける彼らが60周年を迎えたのを機に、東京藝術大学とタッグを組んで、日本のアーティストの育成を目的とするプロジェクト「2074、夢の世界」を立ち上げた。前代未聞の贅沢なアートアワードを通して、彼らが目指すものとは?

フランス流の美意識「アール・ドゥ・ヴィーヴル」を世界中に伝えるために

「2074、夢の世界」の受賞者3人とコルベール委員会のメンバーおよび審査員。6月に行われた授賞式の様子より。

 1954年に創設された「コルベール委員会(http://www.comitecolbert.jp/)」は、現在フランスのラグジュアリーブランド81社と歴史的文化施設14カ所によって構成され、世界の人々にフランス式の「アール・ドゥ・ヴィーヴル」(Art de vivre/美しい暮らし)を伝えるという理念のもとに活動している。

 同委員会のコミッティメンバーは、銀器、陶磁器、服飾、宝石、家具、香水、ワイン、ガストロノミー、ホテル、自動車、出版など13種の職種に及ぶ。500年の歴史を誇る老舗ブランドから、数年前に創業した若いブランドまで、メンバー構成は多岐にわたる。大規模なネットワークと影響力を誇る委員会は、フランスの経済成長の主軸であるラグジュアリー産業の活動をグローバルに広めることを目的として、アール・ドゥ・ヴィーヴルというフランス人の矜持ともいえる審美眼を活かし、さまざまな文化プロジェクトに力を注いできた。もはやフランス一国のローカルな商工会から、EUの経済発展、さらにグローバルに社会的・文化的役割を担う組織までになった。

 2014 年には、創設60周年にあたり、「ユートピア・ファクトリー」と名付けられた会議で、「60年後の理想の世界とは何か」というテーマが討論された。SF作家6名と音楽家、言語学者が、メンバー企業よりブティックやアトリエ、工場などに招かれ、ワークショップや討論を通して、ラグジュアリーの創造性と現況、フランス文化のルーツについての調査研究を行った。その成果として、6編の小説、1編の楽曲、14の新しい言語が創作された。こちらのサイト(http://www.rever2074.jp/)からデジタル版翻訳を観ることができる。