荒木飛呂彦の描き下ろし作品など、日本限定の展示も

「カラフルな色を巧みに操るのもブルガリならではの個性。ニキ・ド・サンファルのまるでおもちゃのようなポップな世界観など、アーティストたちの色彩感覚と通じるところがあると思います」とルチアさん。ニキ・ド・サンファル、Pouf serpent jaune、1994年 ニキ・チャリタブル・アート財団、サンティー © 2017 Niki Charitable Art Foundation
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『ジョジョの奇妙な冒険』でおなじみの漫画家、荒木飛呂彦による描き下ろし作品。康穂と由花子、2017 アーティスト提供、日本 © 荒木飛呂彦 & LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
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 ブルガリのジュエリーにはセルペンティ以外にもさまざまなモチーフが存在するが、あらためてヘビというモチーフの歴史的背景や人間との関わりについて見直してみようと、ルチアさんたちは数年前からリサーチを開始。その結果、ヘビが今も昔も世界中でさまざまに解釈され、物語に登場し、数多くのアーティストのインスピレーション源となっていることがわかったという。

「そういったアーティストたちの素晴らしい作品の数々を組み合わせて、紹介できたら。それが、今回の展覧会を開いたきっかけです」

 世界中のヘビにまつわるジュエリー、デザイン、アート作品を展示する「ブルガリ セルペンティフォーム」展は、2016年にローマで開催。2017年の夏にはシンガポールのアートサイエンスミュージアムに巡回し、成功を収めた。そして今回、満を持して東京・六本木の地へ。会場の六本木ヒルズ展望台 東京シティビューには写真や絵画、イラスト、立体作品など、さまざまなタッチのアートが並び、見る者を飽きさせない。また、今秋「ブルガリ 荒木飛呂彦 日本限定 バッグ カプセル コレクション」のデザインで話題になったアーティストであり、『ジョジョの奇妙な冒険』の作者でもある荒木飛呂彦による描き下ろし作品が展示されているのも興味深いところだ。


日本を代表する写真家、操上和美による作品も。操上和美、欲望のダイヤモンド、2017(オリジナルは1989年) アーティスト提供、日本 © Kazumi Kurigami
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音楽、香り、味etc. 五感で楽しむ展覧会

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〈左〉キース・へリングによる遊び心のある作品も。キース・へリング、USA 19-82、1982年 キース・へリング財団、ニューヨーク © Haring Foundation
〈右〉北京出身の切り絵アーティスト、ウー・ジエンアンの作品は、中国の古い伝説をよみがえらせたもの。あまりに精緻な切り絵に圧倒される。ウー・ジエンアン、The White Snake hid immediately、2015年 アーティスト&前波画像提供、ニューヨーク

「展示の仕方については、東洋のアートと西洋のアートをしっかりと融合することを意識しました。ヘビの解釈がいかに多様であり、いかにさまざまに表現されているかを伝えたかったのです。また今回は、博物館のようにヘビについてレクチャーしたいという意図はありません。訪れた方々に、喜びや楽しみを感じていただきたい。そのために、環境づくりも工夫しています」

ルチア・ボスカイニさんはローマ生まれ。2001年にブルガリに入社し、マーケティングディレクターなどを経て、2014年にブランド ヘリテージ キュレーターに就任。ブランドの歴史的資産を管理する立場として、回顧展や今回の「ブルガリ セルペンティフォーム」展の開催に尽力している。
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 ヘビがゆったりと動き回る様子やうろこの輝きを彷彿させるプロジェクションマッピングが空間を彩り、BGMはエリアごとに変化。ジュエリーのセクションに足を踏み入れるとブルガリのフレグランスに包まれるなど、セルペンティの世界を五感で楽しめる構成となっている。そうそう、五感といえば、会場内にブルガリのカフェがオープンし、ドリンクや特別フレーバーのチョコレートなどを味わえるのも特筆すべき点だ。また特設サイト(www.serpentiform.bulgari.com)でセルペンティの色やデザインを自分の好みにカスタムし、それを会場内に投影できるなど、インタラクティブな仕掛けも用意されている。

「アートファンだけでなく、一般の方々にもインスピレーションを与えられる展示になれば」とルチアさん。クリスマスシーズンに煌めく東京の絶景を眺めがてら、気軽に足を運んでみてはいかがだろうか。

ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン
会期:~2017年12月25日(月)
場所:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー

Text: Kaori Shimura