「女性でも無理なく、おいしくフルコースを食べきれて、そして翌朝、きちんとお腹がすくようにメニューを構成しています。そのために大切なのは、素材と向き合うこと。旬のもの、そして生産者も厳選することで、濃厚なソースや塩分に頼らない料理に仕上げます。3年前にここ東京でレストランをオープンしたおかげで、日本の食材についての研究も深まりました。日本は季節ごとに魅力的な食材が多いので挙げきれませんが、例えば秋から冬にかけての日本の根菜類の豊富さには、目を見張るものがあります」

ピエモンテの栗を使った伝統的なモンブランに、トリュフ、ナッツを加えたジャンドゥーヤチョコレート、そして柿のフリーズドライパウダーを散らして。口の中で食感と温度が重層的に感じられるひと皿。
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「私は、人生はある程度、生まれる前にプログラムされているように感じていて、私がシェフになったのも、まぎれもなく運命だと思っています。でも実は、シェフになる前に、画家になりたかった時期も少しだけありました。だから今も、ひと皿ごとに季節や美しい風景を表現し、食べる人が感動するような、“お皿の上のアート”を提供したいと思っています」


年に4回は来日し、2カ月に一度はメニューを変えているというハインツ・ベック シェフ。
「イタリアのお店は日曜と月曜が休みなので、そこを利用してポルトガルとドバイの店にも頻繁に足を運んでいます。だからお休みは、ここ3カ月はとっていませんが、好きでやっている天職なのでまったく問題ありません(笑)。ローマのフィウミチーノ空港のターミナル内にオープンしたレストランでは、フライトまでの時間に合わせて、30分、45分、60分のコースを用意するという新しい試みもしています」
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HEINZ BECK
東京都千代田区丸の内1-1-3 日本生命 丸の内ガーデンタワー M2F(入口は1F)
TEL : 03-3284-0030 ランチコース ¥6,000~、ディナーコース ¥12,000~。
www.heinzbeck.jp

Photos:Shinsuke Matsukawa Text & Edit:Mizuho Yonekawa