働く女性なら一度は考える「転職」。海外で仕事をしたいと考えている世界中の女性たちに人気のシンガポールに渡り(=渡星)、転職した日本人女性3人にインタビュー、そこに至った経緯や実際の生活、シンガポールと日本のビジネスの習慣の違いなど、ライフスタイルについて聞いた(後編)。

中野梨絵子さん 35歳 旅行代理店マネージャーの場合

Photo:Nakano
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 中野さんは小さい頃から海外に興味があり、高校と大学時代に短期留学をしたときから、将来は英語を使った仕事につきたいという思いを強く抱いていたという。武蔵野大学を卒業し、京王観光でカウンターセールスとして勤務した後、ワーキングホリデーでカナダに渡った。カナダではトロントとバンクーバーに9カ月滞在し、その後はバックパッカーとして3カ月ほど南米へ。
 「この南米旅行が、私の人生を決定的に変えたと思います。視野が広がり、悔いの残らないように自分の好きなこと、興味のあることには果敢に挑戦しようと思うようになりました」とキラキラした瞳で語る中野さん。その表情からは強い意志と秘められた情熱が感じられた。

 その後、アメリカで仕事をしたいと思い、いろいろと仕事を探してみたが、ビザの関係で思うように進まなかった。そこで他の国の求人募集も探しているときに偶然見つけたのが、現在のシンガポールでの仕事。旅行会社に勤めていたことや、海外経験があることをアピールした履歴書を送り、数回のメールのやりとりとスカイプ面接の後、日本旅行 シンガポール支店のスーパーバイザー職の内定をもらったという。
「実はそれまでシンガポールには行ったことがありませんでしたが、英語圏で、綺麗な国というイメージがあったため、迷うことはありませんでした。内定が出るまでの過程もスムーズに進み、これは絶対に縁があると思い、すぐに渡星することを決意たのです」

「残業せずに仕事を終わらせられる人が、仕事ができる人」

 

 実際に生活を始めた中野さんの感覚では、シンガポールは自分の考えや意見を自由に言う国なので、アイデアを形にしやすいという。性差別もないため、女性のキャリアアップには最適な場所だと感じているようだ。シンガポールに来てからは、責任の重さも負荷には感じられず、むしろ達成感と「また次を頑張ろう」というモチベーションにつながるようになった。
「多国籍国家で、世界中の企業や人間が集まるビジネスシティのシンガポールでは、さまざまな国の人たちと仕事をする機会があります。国籍・人種に関係なく、お互いの意見交換を通してグローバルな感覚が養われるし、この経験は今後のキャリアにも大きく影響すると思います」と中野さん。
「日本人は何ごとにも真剣に取り組み、学ぶという姿勢がありますが、同じスタンスで仕事に臨むと、シンガポールでは少し大変かもしれません。こちらのライフスタイルでは、仕事と私生活のバランスを大切にするので、就業時間が終わったら、すぐに家に帰るのが普通。全体的に欧米的な志向が強く、“就業中にその日の業務を終わらせられる人が、仕事ができる人”とみなしている傾向があります」
 また、携帯を机に置いたまま仕事をする、朝ごはんを会社で食べる、5~10分の遅れは気にしない、長期の休みを取る、自分の仕事以外の業務には関わろうとしない、ミスを認めない、自己主張が強い、ダイレクトにものを言う、自己評価が高い……など、日本人とは大きく異なる部分もあったので、当初はかなり苦労もしたが「今は慣れました」と中野さんは笑って答えてくれた。

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