世界中で、女性の先駆的な活動を表彰しているシャンパーニュブランド「ヴーヴ・クリコ」が、WOMAN EXPO TOKYO WINTERにて『ヴーヴ・クリコ ビジネスウーマンアワード』を開催。この賞は、19世紀初頭に27歳で夫の事業を引き継ぎ数々の偉業を成し遂げた、当時としては稀有なるビジネスウーマン 「マダム・クリコ」に共鳴する企業家精神や革新性を持ち、挑戦を続ける現代女性を讃えるため1972年に創設された歴史と権威のある賞だ。日本での2017年の受賞者は、ビジネス部門は森トラスト 代表取締役社長 伊達美和子さん、ブリリアント部門は、フリーキャスターでエッセイストの雨宮塔子さんが選ばれた。授賞式に際して行われた、特別インタビューの模様をお届けする。

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トロフィーと共に、記念品としてヴーヴ・クリコの最高級シャンパーニュ、ラ・グランダムが 贈呈された。「ラ・グランダム」とは、 フランス語で「偉大な女性」を意味し、マダム・クリコの功績をたたえ、 彼女のことを後にシャンパーニュ地方の 「ラ・グランダム」と呼ぶようになったことから名付けられたという。

森トラスト 代表取締役社長 伊達美和子さんに聞く、仕事と生き方。

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2016年、都市開発やホテル事業を手掛ける森トラストの社長に就任した伊達美和子さんは、これまでにコンラッドやウェスティン、マリオットなど外資系高級ホテルの開業に携わり、2015年には「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」をオープン。独自のホテルブランド「翠 SUI」を立ち上げるなど、日本のホテルシーンを牽引してきた。さらに今後は、2020年にマリオット・インターナショナルの最高級グレードのホテル「EDITION(エディション)」の日本初上陸や、虎ノ門の「東京ワールドゲート」など、数々のプロジェクトを発表している。

「新しいビジネススキームをつくりたい」使命感に燃えた学生時代

 私は大学に入ったとき、今後の生き方と仕事について考えました。家業もあり、もともと不動産事業をやりたいという思いはあったのですが、オフィスなどをつくる都市開発の事業と、ホテルをつくるリゾート事業と2つの事業があったので、両方にどのようなかたちで関わっていくのか、そのために自分は今、何をしなければいけないのかと考えたのです。

 そこで不動産については、ベースとなる法律を学ぶようにしました。一方ホテルについては、事業が始まってちょうど20年くらいの時期だったのですが、さまざまなビジネス史を読むと、企業というものはスタートした後、成長期に入り、成熟期を経て、やがて多くは時代の変化とともに衰退するとありました。であれば、自分が実際に参加するときには環境が変わってしまっているだろうから、新しいスキームを考えておかなくてはという、使命感のようなものが生まれたのです。

今はダメでも、10年、20年先につながる

 社会に出てからはコンサル業に入り、ホテルに1年間出向するなど知識を積み重ねながら、さまざまな方法論を考えていきました。そして大学を卒業して10年がたったとき、会員制のホテル事業をリブランドして、会員制を残しながら、外資系ブランドを導入しようと考えたのです。しかし当時は、外資系のホテル進出が飽和状態で、うまくいきませんでした。でも「まあ、そのうちどうにかなるかな」とアイデアだけは残して、ずっと放っておいたのです。
 かわりに、ウェスティン仙台など、自分たちで運営するフランチャイズのホテルを始めたり、さまざまな実績をつくっていきました。そしてさらに10年ほどたった今、会員制ホテルをマリオットとしてリブランドしたり、マリオットの最高級ブランド「EDITION」の2020年の開業に取り組んでいるのです。ですから、すべてのプロセスはいつかは結果につながるし、そのための仮説も、集めた情報も、経験も、すべては無駄にならないと思っています。