原点となった大学の卒業制作から30年以上、描く対象も画材も変わることはなかった。しかし、彼女の対象に対する向き合い方や感覚はつねに変化を続けている。そして、この先、日高理恵子の絵がどのように変わっていくのか。それは大げさなことではなく、絵という樹を通じて、人生という空を感じることにまっすぐにつながっている。

なお「空と樹と」との展覧会名は、詩人の故・長田弘さんと日高さんが2007年に出版したこの詩画集が由来に。2017年には40年余りにわたる作品を収容した作品集『Rieko Hidaka 1979-2017』も発売。
日高 理恵子
1958年東京都生まれ。1985年、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻修了。現在、東京を拠点に制作活動を行う。1995年から1996年まで、文化庁芸術家在外研修員としてドイツに滞在。主な個展に、国立国際美術館(大阪、1998年)、アートカイトミュージアム(デットモルト、ドイツ、2003年)、ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡、2017年)など。主なグループ展に、「CHIKAKU: Time and Memory in Japan」(クンストハウス・グラーツ、オーストリア、他巡回、2005–06年)、「Rising Sun, Melting Moon-Contemporary Art in Japan」(イスラエル美術館、エルサレム、2005–06年)、「Kami: Silence-Action」(ザクセン州立美術館銅版画館、ドレスデン、ドイツ、2009–10年)など。

Text:Teiya Iwabuchi(Editor in Chief of Bijutsu Techo) Photos:Kiyotaka Hatanaka(UM) All Images:Rieko Hidaka Cooperation:Bijutsu Techo, Tomio Koyama Gallery  Edit:Yuka Okada(edit81)

岩渕 貞哉
1975年横浜市生まれ。2018年に創刊70周年を迎える『美術手帖』編集長。1999年慶応義塾大学経済学部卒業。2002年に美術出版社『美術手帖』編集部に入社。2008年より現職。近年は『新しい食』(2017年10月号)や『テレビドラマをつくる』(2018年2月号)といったアートを広義に捉えた特集も発信。国内外の芸術祭から若手作家の展覧会まで積極的に足を運び、アーティストや各界有識者とのトークイベント、様々なアワードの審査員などを通じても、アートの可能性を伝える。
https://bijutsutecho.com

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