オランダ在住のピアニスト・現代美術家の向井山朋子がコンセプトを掲げて演出を練り、日本のコンテンポラリーダンスをリードする振付家・ダンサーの山田うんが振り付けを担当する新作野外公演『雅歌(GAKA)』が、オランダ、高知、東京・神津島を巡回する。日本で連綿と受け継がれてきた儀式をテーマに「音楽とダンス、声、祈り」で構成される舞台が、現代社会が抱える性差の問題に一石を投じる。

歴史と神話からひもとく「女性性」「男性性」を超えた精神の世界

向井山朋子作品『HOME』より Photo:Yutaka Endo
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 オランダを拠点に国際的に活躍する音楽家でありアーティストである向井山朋子。いま日本で最も注目されるダンスカンパニーのひとつ「Co.山田うん」を主宰するダンサー・振付家の山田うん。“最強のふたり”が初のコラボレーションに取り組んでいる。

 その舞台作品『雅歌(GAKA)』は、向井山の故郷である、聖地・熊野を抱く和歌山県新宮での体験からインスピレーションを得て制作された新作だ。

 音楽にウクライナ出身のマキシム・シャリギン、衣装に中国出身のティン・ゴング、技術監修に遠藤豊を迎え、パフォーマーにはCo.山田うんの女性ダンサーたちと、ヨーロッパで長年活動するダンサーで向井山作品『HOME』にも主演した湯浅永麻、そして長崎県五島列島で出会った少年を起用する。

 人の手でデザインされた自然環境を保護していることで知られるオランダのテルスヘリング島、夕陽を見上げる高知県立美術館の中庭、伊豆諸島の神話を今なお残す神津島、という3つの場所で上演される予定だ。