一歩踏み込んだ旅で得た見聞は、他者に対する想像力や理解力を培う。それまでとは違った感覚で日常や自分を捉え直したいなら、エアラインが満を持して路線を開拓した都市への旅も選択肢に。ブリティッシュ・エアウェイズの新たな就航地にはエストニアのタリンをはじめ、ホットなデスティネーションが満載だ。

例えばロンドンからエストニアのタリンを旅する

ブリティッシュ・エアウェイズが就航したタリンの旧市街とその周りに広がる新市街。

 ブリティッシュ・エアウェイズでロンドンを訪れたなら、ヒースロー空港を拠点に巨大なネットワークを持つエアラインならではの強みを活用。足を踏み入れたことのないもう一つの都市に足を延ばす、攻めの旅を提案したい。その際、エアラインが新たに運行を開始した街に着眼すると、ヨーロッパのトラベル・トレンドも見えてくる。

 例えば2017年3月にブリティッシュ・エアウェイズが就航をスタートしたエスト二ア共和国の首都、フィンランド湾を挟みヘルシンキの対岸に位置する港町タリン。1997年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に認定された中世の旧市街は、北海・バルト海沿岸の貿易都市が連合し交易を独占したハンザ同盟で経済的発展を遂げた当時の商人の館や、要塞に囲まれた石畳の街並みが現存する。

(左)石畳の道と三角屋根の建築が印象的な旧市街の路地。(右)旧市街へのアクセスもいい「ホテル パレス バイ タリン」は、20世紀を代表する建築家アルバ・アールトのもとで1940年代に勤務したエストニアの建築家、エルマー・ロークが1937年に建てた建物をリノベーション。モダンなデザインとサービスが現在進行形のタリンを体現。

 いわば京都のような古都は、それだけで味わい深い。ただ、絶えず旅行客で賑わう観光地からは、その真の姿は掴みづらいかもしれない。リアルなタリンを知るべく足を向けるなら、旧市街の外側に広がる新市街へ。なかでもタリン中央駅を含む再開発エリアにあり、昔の電気工場をリノベーションした10以上の建物からなる「テリスキヴィ・クリエイティブセンター」は、イベントスペースを擁し、スタートアップの会社やアーティストを招聘。ものづくりのマインドを感じさせるライフスタイルショップ、オーガニックコスメの店、ローカルのデザイナーズブランドを集めたセレクトショップ、カフェやレストランなど20軒以上の店が入ったタリンの最先端スポットの一つだが、モノと美食にあふれた東京のクオリティと比較するとどうしても物足りない。でも、そこには1991年に崩壊直前の旧ソ連から独立後、EUに属しながらも多くのヨーロッパの国々が叶えてきた物質文明とは違う成熟に向かおうとしてきた国ならではのエネルギーがあって、私たちに改めて「ここからの豊かさ」を問いかけてくる。

タリン中央駅を含む再開発エリア。今は使われていない線路沿いに、カフェをはじめ飲食店が軒を連ねる。
「テリスキヴィ・クリエイティブセンター」の近くにある青空市場「バルティック・ステーション・マーケット」。豊富とはいえない軒先の商品群や物価からは庶民のつつましい暮らしぶりが見て取れる。海をはじめ森や林など自然豊かなエストニアでは、地産地消やオーガニックは決して特別ではない。