明日香:(ドメーヌのサロンに移動して)ラルマンディエ・ベルニエは、ピエールさんで7代目なんですよね。

ピエール:はい。私の曽祖父が、彼の曽祖父の話をしていた1925年の古い新聞記事があって、それによると私は7代目(笑)。

明日香:ひいおじいちゃんの、ひいおじいちゃん……さかのぼりすぎて、パッとわかりません(笑)。

ピエール:この新聞です。

明日香:本当に古い、貴重な資料ですね!

ピエール:記事によると、1880年代に初代となる曽祖父の曽祖父がワインを造っていたことはわかるのですが、最初にどの畑を持っていたのかまではわかりません。

明日香:ドメーヌ名であるラルマンディエ・ベルニエの「ベルニエ」は、お母さまの旧姓なんですよね?

ピエール:そうです。1961年に、私の父であるフィリップ・ラルマンディエと、母であるエリザベス・ベルニエが結婚したのですが、その際にドメーヌ名を「ラルマンディエ・ベルニエ」としました。それまでラルマンディエ家の拠点はクラマン村で、ここヴェルテュ村はベルニエ家の拠点だったんです。

テイスティングルームにて。左からソフィーさん、ジョルジュさん、ピエールさん。
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明日香:ピエールさんご自身の歴史を教えてください。いつからシャンパーニュ造りをしようと思ったんですか?

ピエール:私は1963年に祖父の家で生まれました。当時、このあたりでは家で生まれるのが普通だったんですよ。私の誕生にはかなり時間がかかったらしく、父と祖父とお医者さんの3人はシャンパーニュを飲みながら待っていたそうです。しかも、ボトルが空になってもまだ生まれてこないから、次のボトルを開けようか、なんて話もあったようです(笑)。

明日香:ある意味、シャンパーニュの香りに包まれて生まれてきたんですね(笑)。

ピエール:そうですね(笑)。両親一緒にシャンパーニュ造りをしていましたし、僕にとってシャンパーニュは、最初から日常であり、自分の人生と切っても切り離せないものです。

明日香:シャンパーニュなしの人生なんて想像できないってことですね。

ピエール:そのとおりです。ドメーヌを継いだのは1988年で、当時25歳。普通より若くして継ぎました。なぜなら、父が1982年に亡くなってしまったからです。そこからしばらくは、母と二人三脚で頑張りました。

数あるドメーヌのなかでも、最もセンスよく整えられたテイスティングルーム。
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