オランダを拠点に活動するピアニストであり、アーティストとしても頭角を現す向井山朋子。2月5日(火)から28日(木)まで銀座メゾンエルメス フォーラムで開催される個展は、彼女のピアノのパフォーマンスがベースとなるが、24日間の会期中には、なんと深夜や明け方に演奏する日もあるという。

午後に、あるいは深夜や明け方に。観客と共有する唯一無二のアート

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 オランダ・アムステルダムを拠点に、ピアニストとして国際的に活動する一方、自ら振り付けや演出を行う舞台作品やインスタレーションなど、アーティストとしても存在感を増し続ける向井山朋子。例えば、たったひとりの観客のためのコンサートや、舞台に鑑賞者が上がることで成立するパフォーマンスなど、既存の形式にとらわれることのない作品で注目を集めている。
 2月5日(火)から28日(木)まで銀座メゾンエルメス フォーラムで開催される個展「ピアニスト」で観客が目の当たりにするのは、そんな彼女の最新の表現であり、挑戦である。展覧会の内容は、24日間の会期中、彼女が毎日、約50分から120分程度のピアノのパフォーマンスを行うというもの。
 会場となる銀座メゾンエルメス フォーラムの空間は、コンサートグランドから調律の狂ったアップライトまで、さまざまなピアノによって構成される。会場がオープンするのは、演奏の前後1時間を含めた4時間のみ。初日の5日(火)は昼の12時に演奏スタート、その翌日は13時に演奏スタートといった具合に、演奏時間は日ごとに1時間ずつ回転していく。つまり、会期の後半になると、深夜や明け方にピアノを弾き、観客がそれを見守るという回も出てくるわけだ。
 向井山朋子の関心の対象は一貫して、音楽が演奏される空間を、演奏者や観客がどのように知覚し、音楽をどう受けとめるかというテーマにある。今回、彼女は観客を“開かれており、無防備で、可能性に満ちたパートナー”として展覧会へと誘う。意図的にズラされた非日常の時間と空間の中で、「ピアニスト」のインスタレーションの一部となることを受け容れた観客は、何を感じ、“何を生み出す”のか。一度きりの体験を味わいに、足を運んでみたい。

向井山朋子展「ピアニスト」
会期:2月5日(火)~28日(木)
※開館時間は日ごとに異なるため、ウェブサイトなどで確認を
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム(東京都中央区銀座5-4-1 8F)
入場料:無料

Photo:Kazumi Kurigami  Styling:Tomoko Mukaiyama Hair:Miho Matsuura(Twiggy) Make-up:COCO(sekikawa office) Editor:Kaori Takagiwa Text:Kaori Shimura