においは、命あるものが──動物や植物、微生物や細菌も──代謝活動をするかぎり生じるもの。代謝活動のあらわれだからこそ、そこに「異変」があれば、「好ましくないにおい」となる可能性がある。ストレスや月経周期など、私たち女性が直面する揺らぎと体が発するにおいにも、強い関連性があるようだ。

 私たちは、息を吸って酸素をとりいれ、吐くときに二酸化炭素を排出する。同様に、口から食べ物を摂り、栄養を吸収し、代謝する(つまり利用し、残りを排泄)。その過程で発生するのが「におい」。しばしば“においのもと”とされる皮脂や汗だが、皮脂は、頭皮や肌を保護しているし、汗は体温を調節する。唾液などの分泌物は粘膜を潤し、守っている。そうやって本来の機能を果たしながらも、酸化したり、細菌のエサになった結果、においが生じる。

 つまり、においとは生きている証しだ。“においをやみくもに汚いモノ扱いする風潮”とは距離を置き、ほどよくつきあいたい。

 とはいえ、「○○臭」というように、「臭」の字で表されるにおいがあるのも確かだし、そもそも女性は、においを“感じやすい”生き物だという。

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体の揺らぎとともに、においも揺れる。
女性は、毎月の月経周期はもちろん、ライフステージにおいても一生をかけてホルモンの大きな揺らぎを経験する。月経時や排卵期には口臭が強くなるほか、年齢によるホルモン変動も、においに影響。例えば思春期、妊娠期、更年期には女性ホルモンが大きく変動するが、これにともない唾液分泌量が減少して口臭が強くなったり、においに敏感になったり、汗をかきやすくなって体臭が強くなったりする。

 女性には、月経周期という毎月のリズムがあり、一生を通じてホルモンが波打つように変動する。詳しくは後述するが、例えば排卵期や月経前、月経中は口臭が強くなることが報告されている。「そういえば、月経前はにおいに敏感になる」という人もいるだろう。自分のにおいの変化を敏感に察知した結果、「におっているかも?」と心配する人もいるかもしれない。

 しかし、女は揺れる生き物であり、においも揺れる。生き物の理(ことわり)、女の性(さが)と認識したい。