朝、温かい布団から出るとすぐに体が冷えてしまうと感じることはないだろうか? 実は、起床時は人の体温が一番低い時間。とはいえ体を冷えたままにしておくと、思わぬ不調の種にもなる。効率的に体を温める朝食のとり方について、芝大門いまづクリニック院長の今津嘉宏先生に伺った。

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「冷え」は臓器の機能低下、免疫力、解毒作用の低下を招く

 今や国民病ともいえる「冷え」。ことに寒い冬の朝は、なかなか体が温まらずにエンジンがかからない人もいるだろう。

 しかし、朝一番の食事によって、それを解決することができるという。例えば、温かいコーヒー、白湯、コーンスープ。このどれかをとれば、手先の温度が最大2℃上昇するうえ、いつもより体温の高い状態が4時間続くというのだ。

 では、いったいどれがいいのか。その答えに迫るべく、まずは「冷え」について考えてみよう。

 体の冷えについて多数の著作がある芝大門いまづクリニックの院長・今津嘉宏先生によれば、「冷え症」とは、ここ10年で認知度の高まった症状。以前は、ただの体質だとみなされていた。

 実は、冷えが不調の原因になることは、科学的には証明されていないという。だが、体が冷えることによるデメリットを体感している人は少なくないはずだ。風邪をひいたり、腰が痛くなったり、下痢をしたり、眠れなくなったり……。

「西洋医学では、35.5℃から37.5℃の体温は等しく“正常”とされています。しかし、冷たい氷水の中に指を入れたままにすれば、凍傷が起き、やがて組織が死んでしまうように、体温が低くなれば体の働きは悪化する。胃腸や心臓、肺、脳などの臓器の機能が落ち、消化力、そして免疫力や解毒作用の低下にもつながるのです」(今津先生)

 免疫力が落ちれば当然、病気になりやすくなる。細胞の活動も低下するため、けがや病気が治りにくくなるほか、肌や頭髪の状態も悪くなる。「冷えは万病のもと」というわけなのだ。

コーヒー、白湯、スープ。一番体を温めるのは?

 人間は、明け方がもっとも体温の低い生き物だという。体温が上がり始めるのは、朝5時ごろ。そこから昼間にかけて、じょじょに体温が上がっていく。

「朝一番に体温を上げておけば、スタート時の温度が底上げされることになる。つまり、一日中、いつもより体温の高い状態でいられるわけです」(今津先生)

 体を温める方法のひとつが、朝食だ。温かい食べ物、飲み物を体内に入れることで、内側から効率的に体を温めることができる。まず、空っぽの胃に温かい飲み物を入れて、体に熱を行き渡らせたい。

 さて、ここで再び、冒頭の質問に戻ろう。温かいコーヒー、白湯、コーンスープの3つのうち、もっとも体を温めるものはどれなのだろうか。

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画像提供/芝大門いまづクリニック、温朝食ラボ

「正解は、コーンスープです。私が過去に行った実験によれば、どれをとっても30分間は 体の温かさが持続。手先で最大2℃、体温が上がりました。しかし、温かいコーヒーと白湯はそれ以上持続せず、コーンスープだけが4時間、通常より温かい状態をキープしたのです」(今津先生)