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この土壌は非常にしっとりとしていて、根っこの表面には苔がしっかり生えているのが特徴。

明日香:いつからビオディナミに取り組まれているのでしょうか?

オリヴィエ:本格的にビオディナミに取り組んだのは2011年からです。それまでは、ビオディナミについて私自身が理解できなかった部分もあったため、ちゃんと自分自身が理解できて、納得できるオーガニックな手法を見つけてから取り組むことにしたんです。現在のビオ認証ではSO2が使えますが、EUの新しい法律がさらに厳しくなることもあって、今後、ビオ認証の取得はより難しくなるでしょう。私自身は認証そのものには関心はなく、欲しいとも思っていませんけどね。

明日香:「ユリス・コラン」の畑と、いま育てているブドウについて教えてください。

オリヴィエ:畑はコート・ド・セザンヌ地区に約9ヘクタール持っています。今、目の前に広がるこの畑は、ジャルダン・ユリスと呼んでいる畑で、ちょうど後ろにある家が両親の自宅で、目の前にお庭(=ジャルダン)のように広がっているから。畑の右端のエリアは、コンプランテ(=組み合わさった)と呼んでいて、同じ列でシャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエを育てています。

明日香:同じ列で違う3種のブドウを? どういう目的でされているのですか。

オリヴィエ:同じ土壌で育てても、セパージュ(=品種)によってどう違いが出るのかを研究したいと思ってこのようにしました。例えば2017年は、ムニエは腐ってしまい収穫できなかったのですが、ピノ・ノワールはまあまあの出来。シャルドネはとてもよい出来でした。この3種のブドウはまったく同じ場所に植えていますが、品種の特性やそのブドウの状態に合わせ、収穫時期も違うんですよね。同じ場所に植えたからこそ気づくことがいっぱいありました。

明日香:オリヴィエさんは、ご自分ですべてのことをいろいろと試行錯誤し、納得されながら畑と向かい合われているんですね! とても興味深いお話が聞けて楽しいです。

(後編に続く)

杉山明日香
理論物理学博士。ワイン研究家。唎酒師(ききざけし)。
有名予備校で数学講師を務める傍ら、ワインスクール「ASUKA L’ecole du Vin」にてソムリエ資格試験対策講座を主宰。東京・西麻布のワインバー「GOBLIN」、パリの和食店「ENYAA Saké & Champagne」を経営するほか、ワインと日本酒の輸出入業も。東京とパリを2週間ごとに行き来する多忙な日々。著書に『ワインの授業 フランス編』『ワインの授業 イタリア編』『受験のプロに教わるソムリエ試験対策講座』など。

Photos: Yuji Ono Text: Asuka Sugiyama Editor: Kaori Shimura

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