明日香:まずは自然から読み取れるものをちゃんと理解し、自分自身で感じ取ることが大事なんですね。

オリヴィエ:そうです。例えば、ピサンリ(食用タンポポ)というハーブが自然と生えてくると、今は虫が多すぎるな、とわかります。虫がいることで土壌がいい状態になると考えている人もいるし、虫のすべてが悪い影響を与えるということではないのですが、ピサンリが生えてくると、それは虫が多すぎる状態にある、ということなんです。自然を通じたアプローチはほかにもあって、オルティというハーブを煮出したスープはオーガニックの農薬として使うことができます。一般的な農薬を撒(ま)くことで、ブドウの根っこが伸びなくなってしまうことなどもあるので、自然のもので対処しています。

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ブドウ樹の垣根と垣根の間も含め、土壌全体がびっしりと草で覆われている。土壌から塊のようにはみ出した根は、古木の証し。

明日香:オーガニックの具体的なアプローチを詳しくお伺いできる機会はなかなかないので、とても勉強になります。ほかにはどんな工夫をされているのでしょうか。

オリヴィエ:私の場合、基本的なことではありますが、春になったらまず、土をすべて手作業でひっくり返します。そうすることで、地表にあったものが土の中に入り、腐敗して自然の肥料となっていきます。また、日差しが強すぎるぐらいのときに土を返すことで、土に対して過剰な日照をカットする効果もあるんです。逆にこれをやらないと、土の表面が日焼けしてしまい、土壌が傷んでダメになってしまいます。
 土を返し、農薬を使わずに育った自然の根っこが酸素を取り込み、その酸素を地中に与えることでいろんなものが生きられる環境がつくられます。毎年繰り返すことで、空気のクッションが深く積み重なって、そこに奥深くまで水が浸透し、ブドウに十分な栄養を与えることができるようになります。土を返す作業をトラクターだけで済ませていると、土がどんどん詰まって固くなり、水を与えても根っこまで届かずに流れていってしまいます。

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