「楽しむことを頑張る」姿勢を続けていきたい

──ここ数年、母親役が増えていますが、演じるうえで大事にしていることはありますか?

 夫をどれだけ愛しているか、どれだけ大事にしているかという部分を意識しながら演じています。子どもはもちろん大事だけれど、だからといって夫をないがしろにしていないというか。今演じている「まんぷく」の克子はまさにそういうタイプなんですが、幸いにもこれまでやってきた役の多くも、そういう女性でした。なので、いわゆる「○○ちゃんのお母さん」になってしまわないような役づくりをしたいなと思っています。

撮影が行われた岐阜県は、原作者・宮川さんの故郷でもあるという。のどかな田園風景が広がるなかでの撮影は、「穏やかないい時間」だったそう。
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──働く女性の30代半ばは、悩み多き年代のように思います。同年代である松下さんは、どのように悩みを解消していますか?

 その都度小さい悩みはありますが、基本的には深く悩まないタイプです(笑)。どんな仕事でも考える暇なく次々とやり続けることも、意外と大事なんじゃないかなと思います。もちろん、悩むことも時には必要だろうし、悩むことで何かが生まれることもあるとは思うんですけれどね。

──女優業と並行してやっている音楽活動は、松下さんにとってどんなものですか?

 音楽は私が30年以上続けてきたことで、それが自分の中の自負になっていますし、原点と思えるものです。だから音楽をやると素の自分に戻れる気がするし、そういう場所があるから女優業も楽しめるのかなと。両方あっての自分だと思うし、このペースで両方を続けていきたいですね。女優と音楽、両方を追求していくのは大変なことですし、欲張りかなと思ったりもするのですが、ふたつの世界があるほうが気持ちが楽。自分の中でバランスを保ちやすいと感じています。

──逆に女優業の楽しさは、どんなものでしょうか?

 台本に書いていないことを想像するのがとても楽しくて。今回の真里役も、「こんな自然体の強さを持つ女性って、どんな生い立ちなんだろう?」と、いろいろと想像していました。今だから感じられる、そういう楽しさを大事にしたいなと思っています。以前は肩に力が入っていたのか、それが今は「楽しむことを頑張る」みたいな感じになっています。

 ずっと仕事を続けていると、誰だっていろいろな波があると思うんですよね。でも自分の気持ちに逆らわず向き合っていくこと。それを続けることで、楽しく働いていけるのかなと思います。