季節の移ろいを感じる料理の数々

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素材の旨みが秀逸に調和する「鮪とウニの冷製」。タルタルのようにすべてを混ぜ合わせていただく。一年を通して提供している定番メニューで、季節によって素材が変わる楽しみも。

 店名の通り炭火焼きがウリだが、火を入れない料理や、お椀、デザートにも、井伊さんの個性が光る。「鮪とウニの冷製」は、鮪の骨から削ぎ取ったすき身、ウニ、キャビア、鶉(うずら)の卵、出汁のジュレ、最中を合わせた逸品。スプーンですべてを混ぜ合わせていただくと、それぞれの旨みや食感が絶妙なバランスで調和する。日本料理の伝統や技法に敬意を払いながらも、独自の感性でよりゲストを喜ばせる料理へと昇華。これまで培った多彩な経験をメニューに投影している。

 料理は、おまかせ(¥12,000~)のみで、紙に書かれたお品書きはない。席に着くと、次々と繰り出される優美な品々に心が躍る。おまかせのアルコールペアリング(¥8,000~)は、シャンパン、ワイン、日本酒が絶妙に組み込まれ、料理と引き立て合う。

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すべての席からシェフの鮮やかな動きを眺められるL字形のカウンター席。他に、6名まで利用できる個室があるので、接待や家族のお祝いの席などにも重宝する。

「炭火割烹 白坂」が店を構えるのは、裏赤坂と呼ばれる場所。白砂利と石畳、冠木門(かぶきもん)が出迎えてくれる外観から風情が漂う。お香の雅な香りに導かれて店内に入ると、山桜の木を使ったカウンターと椅子が並ぶ。窓の外には、ライトアップされた小さな日本庭園が望め、趣ある贅沢な空間のなかで食事を楽しむことができるのも魅力だ。そして、肩肘張らず寛いで味わうことができる和やかな雰囲気もリピーターが多い理由のひとつ。人に教えたくない、こっそりと季節ごとに訪れたくなる、そんなお店だ。

炭火割烹 白坂
住所:東京都港区赤坂6-3-9
TEL:03-5797-7066
営業時間:18:00~最終入店21:00
定休日:日曜、土曜は隔週
※価格はすべて消費税・サービス料10%別

Photos:Shinsuke Matsukawa Text:Yui Togawa Edit:Mizuho Yonekawa

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