明日香:(テイスティングをしながら)ドメーヌ「アンドレ・ロベール」のシャンパーニュは私にとって、とてもピュアという印象です。

ジャン・バティスト:ありがとうございます! なぜピュアなものが生まれるかというと、土壌が痩せているからだと思います。土壌が痩せていると、ブドウは頑張って自分で根を伸ばそうとします。余計なものはなくて、ブドウが必要なものを自ら得ようとする。だからこそ、ピュアなものが生まれるんです。

明日香:なるほど。人にたとえたときも同じかも。考えさせられますね。ジャン・バティストさんにとって、ル・メニル・シュル・オジェの特徴はなんですか?

ジャン・バティスト:メニルのブドウから造られるシャンパーニュの特徴としては、まず第一にミネラル感ですね。

明日香:私はこのメニルのミネラル感がたまらなく好きです。それと、塩味も少し感じますし、後味にほんのりとした苦味が。

ジャン・バティスト:そのとおりです。私は、この塩味、苦みもメニルの特徴だと思います。また、メニルのシャンパーニュはなかなか開くのが遅いので、特にミレジメなどは10年以上寝かせるものも多いです。

[画像のクリックで拡大表示]
左からLes Jardins du Mesnil(レ・ジャルダン・デュ・メニル)、Terre du Mesnil 2011(テール・デュ・メニル)、Collection d’Auteur 2006(コレクション・ドトゥール)。

明日香:ドザージュ含め、リリースの時期を決めるなど、もろもろのテイスティングはどなたとされるのですか?

ジャン・バティスト:私と義父と妻と三人で一緒にやっています。妻とは、毎日常に一緒に仕事をしているわけではないですが、テイスティングのときは必ず的確なコメントをくれます。ドメーヌの味わいの方向性については、彼女も一緒に決めています。 私は常にいろんなことにチャレンジしようと思っていますが、そのつど、検討課題を彼女とシェアし、互いに意見を出し合うことが、私の助けになっています。彼女は遠慮せずに思ったことを言ってくれるので、よい話し合いになるんです。私と妻が最初から同じ方向性であることは50%くらいですね。
 私一人で考え、決めた場合でも結果は同じかもしれませんが、この意見交換そのものがとても刺激的で楽しくもあります。私たちは全然アプローチの方向が違うので、お互いの意見に驚きや発見があって、学ぶことができます。

明日香:ご夫婦で率直な意見を闘わせながら美味しいシャンパーニュができるのですね。そこに学びや刺激、驚きもあって……ステキです!!

Photos: Yuji Ono Text: Asuka Sugiyama Editor: Kaori Shimura

前編

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.8 アンドレ・ロベール〈前編〉

関連記事

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.7 ユリス・コラン〈後編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.7 ユリス・コラン〈前編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.6 ラルマンディエ・ベルニエ〈後編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.6 ラルマンディエ・ベルニエ〈前編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.5 エグリ・ウーリエ〈後編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.5 エグリ・ウーリエ〈前編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.4 フランソワーズ・ベデル〈後編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.4 フランソワーズ・ベデル〈前編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.3 ぺルネ・エ・ぺルネ〈後編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.3 ぺルネ・エ・ぺルネ〈前編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.2 ルプルー・プネ〈後編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.2 ルプルー・プネ〈前編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.1 ドメーヌ・ジャック・セロス〈後編〉

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.1 ドメーヌ・ジャック・セロス〈前編〉

SHARE

  • sp-fb01
  • sp-tw01
  • sp-line01
ato_400

forrow us この記事をお伝えした
NikkeiLUXEをフォロー
して最新記事をチェック!

  • sp-fb02
  • sp-tw02
  • sp-in02