高級デザートとして誕生し、喫茶店文化のなかで広く愛されるようになったプリン・ア・ラ・モード。その歴史はコーヒーとのマリアージュという、子どもには味わえない悦楽を生んだ。日常に小さな特別をくれる大人のスウィーツ探訪記。第6回は、帝国ホテル内で営まれる名喫茶へ。

[画像のクリックで拡大表示]

老舗名喫茶の味を引き継ぎ、アップデート

 東京を代表する街として常に流行をつくりだしてきた銀座。その西側に広がる日比谷・有楽町エリアには、日本を代表するビジネス街ながらもゆったりとしたクラシックな雰囲気が漂う。明治時代には鹿鳴館、日比谷公園などがつくられ、近代化の中心地となったこの地を、古くから見守ってきたのが日本初の西洋式ホテルである帝国ホテルだ。はまの屋パーラー日比谷店は、その一角を担う帝国ホテルプラザ東京のなかにある。

[画像のクリックで拡大表示]
はまの屋パーラー日比谷店の店内。純喫茶らしい雰囲気を出すため、内装や家具、カトラリー選びにもこだわっている。

 そもそも、はまの屋パーラーは1966年、日比谷公園のはす向かいに立つ日活国際会館(のちの日比谷パークビルヂング)内で創業した純喫茶。開店当初からビジネスパーソンの憩いの場として愛され、名物メニューは「玉子サンドゥイッチ」。「東京ではめずらしく玉子焼きをはさみ、女性でも食べやすいようにと細長くカットしてあるのが特徴です」(日比谷店店長の西原晴美さん)。

 2003年には、ザ・ペニンシュラ東京の開業にともなう再開発で、新有楽町ビルディングに移転。創業45年目の2011年にはオーナー夫妻が高齢のため一度閉店したが、惜しむ声が後を絶たず、2012年に有楽町本店として再オープンした。

 はまの屋パーラーらしさの継承にこだわり、再オープンにあたっては前店主を招いてトレーニングを行い、先代から続くレシピや味を受け継いだ。店内はもともとの内装、家具を生かし、より純喫茶らしくアップデートしたという。

 帝国ホテルプラザ内に、この日比谷店がオープンしたのは2016年。定番の「玉子サンドゥイッチ」などはもちろん、プリン・ア・ラ・モードなど他店にはないオリジナルのスウィーツメニューも充実している。

[画像のクリックで拡大表示]
はまの屋パーラーでは、どの店舗でもコーヒーはハンドドリップで供される。再オープンの際、コーヒーは「玉子サンドゥイッチ」をより美味しく食べられるブレンドに刷新した。