明治や大正、昭和初期に建てられた建造物には、現代の建物とは異なる魅力がある。DJ、モデル、ファッションデザイナーとして多彩な顔を持つMademoiselle YULIA(マドモアゼル・ユリア)が、そんな近代建築をナビゲート。今回は、かつての皇族の邸宅として建てられ、1955年に「赤坂プリンスホテル」としての歴史をスタート、2016年に名称新たにオープンした「赤坂プリンス クラシックハウス」を訪れた。

MADEMOISELLE YULIA
東京生まれ。DJやシンガー、モデル、ブランド“Growing Pains”のデザイナーとして活躍。国内外のコレクションのフロントロウを飾る、ファッションアイコンとしての顔も持つ。また、2018年4月から大学で日本の伝統文化について学んでいる。大正時代や歌舞伎、着物などに造詣が深い。http://yulia.tokyo/yulia/

物語が刻まれた歴史的ランドマーク

 見事なチューダー様式の洋館は、紀尾井町の街並みでひときわ目立つため、ご存じの人も多いはず。1930年に、旧宮内省内匠寮の工務課長として活躍した北村耕造と、技師の権藤要吉らの設計により建設された皇族の邸宅は、「旧グランドプリンスホテル赤坂 旧館」として親しまれたのちに、主要部分を建築当時の状態に復原。「赤坂プリンス クラシックハウス」として生まれ変わった。2011年には、東京都指定有形文化財に指定されている。建物を解体せず、建設当時の状態に復原されている稀有な存在だ。

プリンス通りに面した正面玄関は威風堂々とした佇まい。外壁は白から1930年当時のベージュへと復原された。ニット¥80,000 シャツ¥62,000 スカート¥69,000(すべて参考価格)/すべてケンゾー(ケンゾーパリ ジャパン TEL:03-5410-7153)
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 中に足を踏み入れると、一気にクラシカルな雰囲気へとタイムスリップ。アーチ形の窓から明るい光が注ぐカフェは、かつて大客室として使われていた部屋。歴史のある洋館の中で優雅な気分でティータイムが過ごせそうだ。

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〈左〉エントランスホール。随所にあしらわれた濃褐色の木材がアクセントとなり、全体を引き締めている。〈右〉ホテル時代はチャペルだったレストラン「ラ メゾン キオイ」。
チューダー様式の外観からは想像できないほど優美な1階カフェ。柱や天井のディテールにも注目したい。
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〈左〉建設時代と同じ壁紙は、現在では貼れる人が限られているため、京都から職人を呼び寄せたという。〈右〉照明も当時の趣が感じられる。