日本とも関係の深い「Obakki」という名の由来

──現在のチャリティ事業の礎(いしずえ)となったのが、ファッション業界での成功です。なぜ、ファッションビジネスを志したのでしょうか?

 私にとって、ファッションとは物語そのもの。生地と色で物語を綴り、それを正しいマーケティングで伝えていく行為なんです。なぜ、そうする必要があったのかというと、私がアフリカで経験したことを多くの人と共有したかったから。アフリカには悲惨な現実もありますが、それ以上に素晴らしい出来事も多いのです。そのことを、ファッションを通じてクリエイティブに表現することで、より多くの人々に物語を届けようと考えたんです。幸いにもその試みはうまくいき、チャリティ活動の大きなプラットフォームとして「Obakki財団」を立ち上げることにもつながりました。

──「Obakki」という印象的なブランド名には、どんな意味が込められているのですか?

 ユニークな名前でしょ? でも、意味はないんです。ブランドにふさわしい個性的な名前はないかと探していた当時、たまたま日本語を勉強していた私は「おばけ」という言葉に出合いました。その単語の響きとローマ字にしたときの文字面のおもしろさから、少しもじって「Obakki」と命名。この世には存在しない名前でブランドの独自性を体現したかったんです。

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2019年春夏コレクションより。サステイナブルなファブリックであるコットンとシルクをメイン素材とし、「ナチュラルでありながらモダン」を信条にファッション性の高いデザインを展開している。

──独自のファッションのインスピレーションはどこから得られるのでしょう?

 机の上ではないことはたしかですね。私は自分の活動や夫(ミュージシャンで、カナダのバンド「ニッケルバック」のギターリスト、ライアン・ピーク氏)のツアーでつねに世界中を飛び回っているから。でも、それは「Obakki」が理想とする理想のターゲット像、つまり世界に意識を向け、旅を楽しみ、家族や仕事を愛する女性の生き方そのものでもあるんです。だからつねに私らしく生き、そのライフスタイルに自然と寄り添うファッションを追求すること自体が、インスピレーションの源泉となっているのだと思います。