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ヴィーガンと聞くと、肉や魚など動物性食品を使わないため、物足りない食事をイメージするかもしれないが、近年では名シェフたちによる秀逸なフルコースが展開されている。もとからヴィーガンの人だけでなく、フレキシブルに取り入れるゲストも増えているそう。今回は、早くからヴィーガンに注目している2店を紹介する。

サンス・エ・サヴール(Sens & Saveurs)
五感に響く、食べる喜びを再確認できる優美なメニュー

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前菜として提供される「丹後産有機春菊のムースとガスパチョソース 春野菜のタルタルとアヴォカドのベニエ ピンクグレープフルーツの泡を添えて」。

 京都府京丹後市の「自然耕房あおき」が育てる春菊に感銘を受けて誕生したという春の新作は、グラスの底から、寒天と豆乳を使った春菊のムース、春菊のガスパチョが層を成していて、上には、アボカドのフリット、グレープフルーツの泡、エンドウ豆の花やハーブが添えられ、さらに、コールラビや筍、菜の花、新玉葱などの春野菜とアーモンドを小さなサイズでそろえて食感よく仕上げたものが隠れている。春菊のほろ苦さに春の訪れを感じつつ、ひと口ごとに多彩な食感やテイストを楽しむことができる逸品だ。冷たいベースに、温かなアボカドを組み合わせることで、温度でも変化を感じられる。

 こちらを味わうことができるのは、丸の内ビルディングの開業とともに2002年に誕生した、ひらまつの「サンス・エ・サヴール」。双子のオーナーシェフ、ジャック&ローラン=プルセルが手掛ける、南仏・モンペリエにある名店「ル・ジャルダン・デ・サンス」の海外1号店として、多くのゲストに愛されているフレンチレストランだ。本店は、1998年当時、オープンから10年という異例の早さと最年少での三つ星を獲得して以来、約20年にわたりミシュランの星に輝き続けている。

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メインディッシュとして供される「藁で燻した葉玉葱のグリエ 赤ワインで炊いた修善寺産黒米のリゾット セップ茸と豆乳のソース 黒トリュフの香りと共に」。

 こちらのお皿の前に、燻された葉玉葱が入った鍋がテーブルに運ばれるというプレゼンテーションで、期待感が高まるメニュー。丁寧に火入れをすることで甘味や旨味を引き出した葉玉葱を主役に、ラディッキオやフリットしたジャガイモ、豆乳とあわせたセップ茸のソース、さらに爽やかなレモンの泡も加わる。下には、赤ワインで煮た修善寺産の黒米のリゾットが潜み、プチプチとした口当たりが楽しい。惜しげもなく散らした黒トリュフの豊かな風味が、葉玉葱の燻し香と重なり合う。さまざまな表情をもつひと皿は、自然にワイングラスに手が伸びる味わいだ。紹介している料理は、ヴィーガン コース(ランチ¥5,800、ディナー¥10,000、前日までに要予約)からの一例。

“プルセル・キュイジーヌ”を、日本食材を通じて表現

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「サンス・エ・サヴール」料理長の鴨田 猛氏。1977年、大阪府生まれ。箱根のオーベルジュや神戸のホテルを経て、海外へ。フランスとベルギーでフランス料理を3年間学ぶ。2003年、ひらまつに入社し、「サンス・エ・サヴール」スーシェフを経て2012年に料理長に就任。

 本店「ル・ジャルダン・デ・サンス」で生まれたプルセル・キュイジーヌの魅力を、東京でしっかりと表現するのは、「サンス・エ・サヴール」料理長の鴨田 猛氏。本国と密にやり取りをすることを大切に、双子のオーナーシェフ、ジャック&ローラン=プルセルのフィロソフィーをメニューに投影している。フルーツの天然の甘味や酸味に塩を組み合わせて素材の旨味を増幅させる「シュクレ・サレ(砂糖と塩)」や、陸と海の食材をあわせることにより、相乗効果を生み出す「テル・エ・メール(大地と海)」、さらに、軽やかに味わうことができる乳化や泡状にする技法など、クラシカルなフランス料理を再構築したプルセル・キュイジーヌの特徴は、ヴィーガンのコースでも堪能できる。

「ヴィーガンコースは、2018年よりスタートしました。東京駅の目の前という立地で、国内外から幅広いお客様がいらっしゃいますので、早い時期から需要があり、当初は外国人向けを意識して作っていましたが、近ごろでは日本人の方も増えており、旬の食材をプルセル・キュイジーヌの方程式にのっとって、おいしくお届けすることを意識しています。通常のコースと同じテーブルで召し上がっていただいても物足りなさなど一切なく、同等の満足感を味わっていただけると思います」と鴨田氏。

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ゆったりと席が配置されたメインダイニング。丸の内ビルディングの35階に位置し、窓の外には、東京ならではの景色を眺めることができる。バーラウンジや2つの個室を併設。

 印象的な空間は、世界的な建築家であるフィリップ・スタルクに師事したフランス人デザイナー、イマド・ラムニーの手によるもの。天井をレッド、パープル、イエローなど5色にするなど、伝統的な色を大胆に使い、コンテンポラリーななかにもシックな雰囲気を醸し出している。店名の「サンス・エ・サヴール」は、フランス語で「五感を味わう」という意味。プルセル兄弟が大切にしている想いを受け、南仏を彷彿させる軽やかな料理の数々が、ゲストの五感を刺激する。

サンス・エ・サヴール/Sens & Saveurs
住所:東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング 35F
TEL:03-5220-2701
営業時間:11:00~15:30(L.O.13:30)、18:00~22:30(L.O.20:30)、土日祝11:00~15:30(L.O.13:30)、17:30~22:30(L.O.20:30)
定休日:無休
ホームページ:https://www.hiramatsurestaurant.jp/sensetsaveurs/
※価格はすべて消費税別・サービス料10%別

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