旅慣れたオーナーの経験と思いが、上質な居心地のよさを実現

 ホテルの名前「MOGANA」は、古語の「~であったらいいな」という期待や願望の意味を持つ「もがな」に由来。「この旅が人生を豊かにするきっかけとなれば……」という思いを込めてゲストを迎える。ユニバーサルに発音できる点もいい。また“装い”を楽しむ空間をコンセプトに、“装い”が意味する「身なりや外観を美しく飾り整えること」「佇まいや趣」「出発の準備をすること」を軸に、新たな京都や旅を提案する。
 ホテルを手がけるのは、繁田善史さん。もともと旅好きで、特にホテルステイは大きな楽しみのひとつなのだとか。国内外問わず魅力的なホテルを見つけては、フライトプランなどを立て、その後に現地での食事や訪れる場所などストーリーを組み立てていくという。そんなオーナーが、日本には自身のフィロソフィーを感じるようなホテルが少ないと常々思っていたことから、3年間の構想を経て「MOGANA」を開業した。

「SHIGETA」や「matohu」など、有名ブランドとコラボ

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〈左〉チコ・シゲタさんが主宰するオーガニックコスメブランド「SHIGETA」のアメニティ。〈右〉1階のギャラリーには「matohu」のコレクションが豊富に並び、購入もできる。

 開業にあたり、パリ発のオーガニックコスメブランド「SHIGETA」を、世界のホテルで初めてアメニティに。ホテルサイズのシャンプー、コンディショナー、ボディソープ、バスソルトのほか、ハンドソープもオリジナルボトルで部屋に用意されている。聞けば、オーナーの奥さまの有子さんが、東京で行われているセミナーに参加し、熱意をもって交渉した結果、実現したそう。
 客室に置かれた部屋履きとクッション、歯科医師監修による歯ブラシは、日本のファッションブランド「matohu」によるオリジナルデザイン。また、着物のエッセンスを生かした「matohu」のブランドを象徴する長着をまとって京都を散策するオプショナルツアーも計画している。

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客室のテーブルに置かれた南部鉄器の急須と山中漆器の茶筒と湯呑み。茶筒には、「丸久小山園」の香り高い特上の煎茶「古都緑」が入っている。

 客室に置かれた岩手・南部鉄器の急須や、金沢・山中漆器の茶筒や湯呑みなど、ほぼすべて「MOGANA」のためだけにデザインされたオリジナルアイテム。ホテルの客室で使用することを考慮した設計で、それぞれの客室に合う色合いに仕上がっている。いずれもすべての職人のもとを訪れ、また職人たちも「MOGANA」を訪れ、互いの考えをくんでアレンジを加えている。
 金沢のデザイナー、原嶋亮輔氏が手がけたオリジナルの部屋着や、福井を拠点にしているライフスタイルブランド「MOHEIM」のマグカップやティッシュボックスなど、随所に日本の伝統や職人技を感じるアイテムを起用している。さらに、エレベーターのボタンの文字にも「MOGANA」フォントが使用され、徹底した美意識を貫いている。あえて部屋にテレビを置かないのも、滞在時間を大切に過ごしてほしいという思いからだ。