明日香:日本を選んでくれて、私もうれしいです! バランタンさんはどちらで研修を?

バランタン(長男)僕は特に醸造に興味があり、ブルゴーニュワインがすごく好きなこともあり、父の縁でDRCで研修をさせてもらいました。

明日香:DRCって、あのロマネ・コンティのDRC(=ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ)ですよね?

バランタン(長男)はい(笑)。研修させてもらえたことは本当にラッキーだったし、貴重な体験でした。

明日香:みなさんがシャンパーニュの仕事に就くのは、お父さま同様、やはりとても自然なことでしたか?

ジュリー(次女):育った環境が環境ですから(笑)。姉も弟もたぶんそうだと思います。本格的な道筋としては、高校を出てワインの学校に行く決断をしたときに、ワイン醸造家になることも決まったような気がしますが、すべて自然なことでした。

明日香:ごきょうだい3人でやっていくことは、阿吽(あうん)の呼吸でわかりあえる気楽さと、逆に大変さもあるかと思います。みなさんで話し合われたルールなどはあるのですか?

シャルロット(長女):まず、いろいろな決断は、父を含め、家族全員で話し合って決めるということです。あと、私たちきょうだい3人で決めたルールとして、それぞれの配偶者をこのドメーヌには入れないということ。私は今29歳で、夫と子どもがいるのですが、夫は別のシャンパーニュ・メゾンでブドウ栽培の仕事をしています。妹は25歳、弟は24歳でまだ独身ですが、2人ともそうするつもりです。ドメーヌを受け継ぐというのは大変なことで、ましてきょうだい3人でやるなら、3人だけで完結させようと決めました。

明日香:みなさんの決意を感じますね。

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〈左〉ピュピトル(=澱下げ台)で澱落とし中のシャンパーニュ。これは10年もの間、瓶内で熟成したもの。 〈右〉2010年のヴィンテージの限定記念ボトル。来年2020年にリリースする予定。購入者には記念にド・スーザのシャルドネの苗木をプレゼントしてくれるとのこと。

エリック:(テイスティングルームにて)今日はコダリー、ウマミ、3A(トロワ・アー)、グラン・クリュ・レゼルヴの4つのキュヴェを用意しました。

明日香:ありがとうございます。それぞれ、どのようなシャンパーニュなのですか?

エリック:私の畑のブドウ樹のなかでも古くて年を取ったものになるほど、ブドウの味わいにボリュームは出ないながらも、ちゃんと味がのってきます。そういった古木のブドウを使って造るのがコダリー。余韻が長く延びていくのが特徴で、コダリーはしっぽの意味だけど、転じて余韻を表す言葉なんです。

明日香:ウマミはもちろん日本語ですよね? 数年前に初めてエチケットを見たときはびっくりしました。

エリック:日本には6回ほど行っていますが、京都で旨味がテーマの食事会に参加したときに、シャンパーニュで旨味を表現したいと思い、造りました。こちらはゾエミ・ド・スーザという妻のミシェルと始めたブランドで出していて、現在は長女のシャルロットと一緒に造っています。これはシャルドネが60%、ピノ・ノワールが40%です。ウマミは気温が高くてしっかりブドウが熟した年しか造れなくて、2012年からしばらくは造れていなかったのですが、2018年は質、量ともに素晴らしい年になったので、造ることができそうです。

明日香:エチケットに和紙を使っていて面白いですね。