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左から、「グラン・クリュ・レゼルヴ」、「キュヴェ・3A(トロワ・アー)」、「ウマミ」、「コダリー2010」。

エリック:次は3Aです。もともとド・スーザにはシャルドネの畑しかなかったのですが、ピノ・ノワールもやってみたいと思っていました。機会があってグラン・クリュのアイとアンボネのピノ・ノワールの畑を手に入れることができたので、アヴィーズのシャルドネとのブレンドでどのような味わいになるのか、造ってみたんです。この3つの畑の名前がすべてAから始まっているのが面白いと思って、3Aと名付けました。シャルドネが50%、アイとアンボネのピノ・ノワールが25%ずつです。

明日香:このネーミングもすごく面白いので、日本でワインスクールの生徒さんがシャンパーニュのグラン・クリュを覚えるときに、3Aのエピソードを話してるんですよ。

エリック:ありがとうございます。最後にグラン・クリュ・レゼルヴ。こちらとコダリーはブラン・ド・ブランでシャルドネ100%です。トラディションがスタンダードキュヴェなのですが、ブドウがよく熟し、ワインが長期熟成に耐えられると判断したものだけ、レゼルヴのキュヴェとして瓶詰めします。

明日香:今日は素晴らしいお話を聞きながらのテイスティングで、ありがとうございました。エリックさんもまだお若いですが、今後は3人の後継者に少しずつ任せていくようになるのですか?

エリック:私はいま55歳ですが、若いときにすべてを子どもたちにわたすのがよいのかどうかは、わかりません。でも、個人的には、75歳になってもドメーヌの中心でいたいとも思いません。シャンパーニュ造りにおいて、後継者が未熟であるうちに引き継ぎをするのは難しいので、今後頃合いをみながら、彼らがスムーズに仕事と責任を引き継ぐことができるようにしたいと思っています。

明日香:エリックさんの今後のご計画は?

エリック:来年2020年は、完全なビオディナミ農法に切り替えて20年、認証を得て10年という、ドメーヌにとって記念の年なんです。ですので、ずっとド・スーザを愛してくださっているお客さまに感謝の気持ちを込めて、うちのシャルドネの苗木をプレゼントしようと思っています。日本の盆栽のイメージで考えたんですよ。

明日香:エリックさん、最高です!

杉山明日香
理論物理学博士。ワイン研究家。唎酒師(ききざけし)。
有名予備校で数学講師を務める傍ら、ワインスクール「ASUKA L’ecole du Vin」にてソムリエ資格試験対策講座を主宰。東京・西麻布のワインバー「GOBLIN」、パリの和食店「ENYAA Saké & Champagne」を経営するほか、ワインと日本酒の輸出入業も。東京とパリを2週間ごとに行き来する多忙な日々。著書に『ワインの授業 フランス編』『ワインの授業 イタリア編』『受験のプロに教わるソムリエ試験対策講座』など。

Photos:Yuji Ono Text: Asuka Sugiyama Editor:Kaori Shimura

前編

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.9 ド・スーザ・エ・フィス〈前編〉

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