どこか気高く、尊いイメージがある「白」。その白さを美しいまま保つのは容易ではないからこそ、白いアイテムは使う人の丁寧で質の高い暮らしぶりを物語る。今月から、スタイリストの河井真奈さんが、さまざまなジャンルからより抜いた「特別な白」を紹介する連載企画をスタート。第1回は、アスティエ・ド・ヴィラットが日本をテーマに生み出した新作、『晩酌』の器を取り上げる。

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少しずつ買い集めたくなる、表情豊かな「白」

 私がアスティエ・ド・ヴィラットと出合ったのは、2000年。パリのルーヴル美術館の北側、サントノーレ通りに開店したばかりの小さな店だった。当時、パリコレを見るために年に2度フランスを訪れていた私は、コレクションの資料でスーツケースがいっぱいになっているにもかかわらず、必ずひとつはアスティエ・ド・ヴィラットの白いお皿やカップを買って大切に持ち帰っていた。それは、私にとって服を買うことと同じくらいワクワクする出来事だったのだ。
 アスティエ・ド・ヴィラットはパリにアトリエを構え、機械を使わず職人たちの手によりひとつひとつ形づくったあと、窯で焼き上げている陶器のブランドだ。
 デザインは19世紀の器やオブジェからインスピレーションを受けていて、白色のうわぐすりが独特の風合いを醸し出している。元の土の色が見え隠れして自然な陰影を描き、豊かな立体感を生んでいるその姿には、ひとつとして同じものがない。均一的で無機質なありふれた「白」とは異なり、アスティエ・ド・ヴィラットの「白」は特別な存在感を放ち、ただ置いておくだけでも目を楽しませてくれる。
 もちろん、使うことにも意味がある。とくにホームパーティなどで人を招く際には、和食であってもアスティエ・ド・ヴィラットを使うのが私の定番。器の美しさが、ゲストの気分をよりいっそう高めてくれるからだ。
 最新作である『晩酌』の器シリーズは、日本からの依頼で実現したそうだ。フランスのアペリティフの習慣を、日本の生活様式に合わせて表現しなおしたもので、徳利や小鉢など日本の食卓に最適なアイテムが勢ぞろいする。誰からも好感がもたれ、実用的な面もある「白」だからこそ、使い手の個性やアイデアを存分に活かすことができるだろう。


全18種のラインナップから、一部を紹介。〈前列左から〉小皿¥11,800  猪口¥12,500 徳利¥22,000 〈後列左から〉盃¥13,500 角小鉢¥13,500 湯呑¥14,500/すべてアスティエ・ド・ヴィラット(エイチ・ピー・デコ TEL:03-3406-0313)
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河井真奈
ファッション&ギフトスタイリスト。数多くの女性誌においてファッション、ジュエリー、連載などで活躍するほか、女優にも信頼が厚く、CM、ドラマにも携わる。結婚、出産、子育てなど女性としての経験を活かしたライフスタイル提案で、トークショー、商品開発、アドバイザーとしても活躍中。また、2016年にはギフトに特化したサイト「futo」をローンチ。さらに今年6月4日には、初の実店舗を南青山にオープンする。著書に『絶対 美人アイテム100』(文藝春秋)、『服を整理すれば、部屋の8割は片付く』(立東舎)。

Photos:Hiroki Watanabe Styling & Text:Mana Kawai Edit:Kao Tani