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ヴェロニカ・ゲンシツカ「What a Wonderful World」 嶋臺(しまだい)ギャラリー supported by agnés b.with the Patronage of Adam Mickiewicz Institute. © Takeshi Asano - KYOTOGRAPHIE2019

 冷戦終結後の1984年にポーランドで生まれたヴェロニカ・ゲンシツカは、当時東側の人々の憧れであったアメリカ文化を題材に「幸福とは何か」を問いかける。20世紀アメリカのストックフォトに記録された家族の情景をもとに、彼女は暗示的で不気味な加工を施し、絵に描いたような幸せと豊かさの隙間から「ほころび」を引っぱりだす。ファンシーなインテリア空間を町家建築の中に設えたインスタレーションも、SNSに日々垂れ流される「見栄えの競演」を彷彿とさせ、ぞっとさせられながらも痛快である。

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金氏徹平「S.F. (Splash Factory)」 京都新聞ビル 印刷工場跡(B1) 共催:京都新聞 © Takeshi Asano - KYOTOGRAPHIE2019

 京都在住の美術家・彫刻家である金氏徹平は、京都新聞社の旧印刷工場の遺構に巨大なインスタレーションを展開した。壁や床に飛び散ったインクの痕跡から触発され、新聞の紙面に印刷されずにこぼれ落ちた染みの抽象的イメージを、幾重ものレイヤーに積層させる。現在稼動する印刷工場へも赴き、最先端のロボティクスを撮影した写真を展示に滑り込ませた。かつてそこで働いていた人々の気配と現代のテクノロジーのコラージュともいえる壮大な機構の中に観客自身も組み込まれながら、凝縮された歴史のジオラマを体感することができる。

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