そして肌の状態や悩みに応じて、フェイシャルトリートメントで使用するスキンケア製品を決めると、体の内側から整えていくためのオリジナルフレッシュジュースまでもが組み立てられていく。私は大好きなサブリマージュをフルラインで使い、施術後にはキュウリやセロリ、ビーツの入ったデトックスジュースを頂くことにした。

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〈左〉ボディトリートメントで使うオイルは、3つの植物成分、3つのテクスチャーを組み合わせてオーダー。〈中〉〈右〉シックで落ち着いた空間の中、リラックスしてコースを堪能できる。

 ガウンに着替えたら、いよいよ3時間のコースがスタート。リラックスした状態へと導くオープニングリチュアルの後、うつ伏せになって足や背中、腕の背面のマッサージが始まる。

 行われるのは、筋肉や関節など体内の組織をつなぐ膜状の組織「ファシア(筋膜)」にアプローチするために開発された、独自のメソッド。呼吸に合わせてゆっくり、どこまでも優しいタッチで全身をほぐしていく。「筋膜をほぐす」というと、骨に沿ってゴリゴリと強力に行う手技をイメージするかもしれないが、ここではとにかく穏やかで滑らかな動きが、肌の上をすべるように流れる。すると最初は浅く感じていたはずのマッサージが、徐々に体の深部まで届くような感じがしてきて、体全体、骨や内臓までもが緩んでいくような不思議な感覚が体感できる。

 続いて前面のボディマッサージが行われ、フェイシャルのクレンジングとマッサージ、マスクへ。フェイシャルでも、目の疲れや頬のこわばりなどの悩みに応じて、顔のファシアにアプローチしていく。

 驚きだったのは、コースが終わる頃には全身の血流がかなり活発になり、まるでホットヨガ後のように汗だくの状態になったことだ。このコースを受けると冷え性の人でも手足がポカポカしてくるそうで、さらに繰り返し受けていくと、体質まで変わってくるという。また、この優しいマッサージによって、心も安らかで穏やかな状態へと導かれていき、自然とストレスやマイナスの感情から解放されていくのも感じられた。

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〈左〉コースの最後には、オリジナルのビューティジュースを。〈中〉施術後は、サロンのホワイエでくつろいだり、〈右〉シャネルのコスメでメイクをしてもらうことも可能。

 ガブリエル シャネルは「肌のお手入れについてはよく話題にのぼりますが、心のお手入れについてはどうでしょう。美容とは、まず心の美しさからはじめるものです。そうしなければ、化粧品は何の役にも立ちません」と語ったというが、体だけでなく心のこわばりまでケアされ、不思議なパワーで満たされるような体験だった。

 さらにコースの流れに合わせ、個室内の照明や音楽も絶妙に変化したり、インテリアからガウン、タオルに至るまで高い審美眼で選び抜かれていたり、他のサロンではつくりだせないような完璧な空間で、五感全体で癒やされるのもシャネルならでは。特別な時間が生む特別な効果、自分へのご褒美にぜひ。

Text & Edit:Mizuho Yonekawa