花街の面影が残る荒木町で、大人が集う中国料理店

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まるで日本料理店のような空間。イチョウの木を使った幅80㎝のカウンターは、ゆったりとした間隔で8席が並ぶ。ほかに個室があり、接待や家族の会食にも重宝する。

 かつて花街だった荒木町は、現在も食を熟知した大人たちが集まるエリア。そんな街で愛される「の弥七」は、車力門通り沿いにある立派な翡翠(ひすい)色の看板を目指して訪れていただきたい。席には、折敷(おしき)が行儀よく並び、ここにもまた翡翠色のナプキンと箸置き、そして目に入る壁の色も翡翠色で統一。何も聞かされずに連れてこられたなら、日本料理店だと思い込んでしまうしつらえだ。

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コース終盤で登場する麻婆豆腐は、一人一鍋ずつ提供される。山本さん曰く「赤蒟蒻(こんにゃく)が入り、もつ煮のイメージです」。風味はもちろん、食感でも楽しませてくれる。

 シグネチャー的存在の麻婆豆腐は、山本さんが年に一度訪れる中国・湖南省で仕入れてきた甘辛い唐辛子がベースになっている。丸揚げした後、丁寧に1本1本拭き、砕いて粉末状にしたものを豆板醤の代わりに使用。そのため、辛さにも透明感のある澄んだ印象を受ける。白いご飯との相性も抜群、ファンの多い逸品だ。

「日本人なのだから、日本の良さを表現したい」と語る山本さん。空間、器とも相まって、食事をしていると日本料理店にいるような錯覚に陥る。食後感を軽やかに仕立てるのもゲストへの配慮があってこそ。優しさに満ちた一軒だ。

の弥七
住所:東京都新宿区荒木町2-9 MIT四ッ谷三丁目ビル 1F
TEL:03-3226-7055
営業時間:11:30~14:30(予約のみ) 、17:30~21:00最終入店
定休日:日曜
ホームページ:https://noya7.gorp.jp/
※昼¥9,000、夜¥12,000、¥16,000、¥23,000
※価格はすべて税・サービス料10%別

Photos:Shinsuke Matsukawa Text:Yui Togawa Edit:Mizuho Yonekawa

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