アメリカ『フォーチュン』誌の「2019年世界で最も賞賛される企業」における航空会社部門で、1位に選出されたデルタ航空。とりわけ注目すべきは、2018年に誕生したプレミアムエコノミークラス「デルタ・プレミアムセレクト」の存在だ。フライト中はもちろん、それ以外でも高い評価を得ている、デルタ航空のサービスとは?

効率的かつストレスフリーな、優先サービスと機内空間

 海外への長距離フライトは、少なからず体に負担がかかる。ファーストやビジネスといった上位クラスのキャビンなら軽減されるが、出張や状況によっては選択できないことも。

 デルタ航空がビジネスクラス「デルタ・ワン」とエコノミークラス「メインキャビン」との中間に設けた「デルタ・プレミアムセレクト」は、ワンランク上のプレミアムエコノミーだ。広々としたシートサイズだけでなく、通常のエコノミークラスでは得られないサービスが充実しているので、新たな選択肢として注目されている。

 上位クラスを利用する際にうれしいのが、チェックインや搭乗、荷物引き渡しの際の優先サービスだ。「待ち時間」という無駄を省けるので、出発前や到着後の時間を有効に使うことができ、ストレスがない。「デルタ・プレミアムセレクト」なら、これらの「スカイ プライオリティ」サービスが受けられるのだ。今回、私はシアトルへのフライトで「デルタ・プレミアムセレクト」を利用したのだが、行きも帰りも空港での時間が読めるという点がとてもありがたく、搭乗前に慌てることなくひと仕事終えるほどの余裕ができた。そしてまた、荷物受け取りのターンテーブル前でひたすら待ち構えるというイライラを感じずに済んだという点でも、スムーズな旅の魅力を大いに実感した。

 座席は、シートピッチが最大96.5センチ、シート幅は最大48.3センチ、リクライニングは最大17.8センチ。さらに可動式のレッグレストとヘッドレストも備えた、ゆとりのある設計となっている。エコノミークラスでありがちな、隣の席に肘が出てしまわないよう小脇をぐっと引き締め続ける……ということはもちろん不要。レッグレストがあることで、リクライニングを倒した際にも楽な姿勢となり、ぐっすり眠ることができた。

 また、座席にはスリッパと、TUMI製のオリジナルポーチに入ったソックスやアイマスク、耳栓、歯磨きセットなど、フライト中にあると便利なアメニティが用意されている。なかでも私が気に入ったのは、ソックスと歯磨きセット。ロングフライトだと足がむくんでしまいがちなのだが、ゆるっとしたソックスにはき替えたことで、到着時にいつもよりつらくないように感じられた。歯磨きセットは、自分のものをうっかりスーツケースに入れて預けてしまったので、ポーチの中に発見したときには本当にほっとした。

 移動時間中に映画を観たいという人にも、「デルタ・プレミアムセレクト」はおすすめだ。最新映画や人気作が約300タイトル揃う機内エンタテインメントを、13.3インチの高画質モニターと、ノイズ・キャンセリング機能を搭載したLSTN製ヘッドフォンで楽しめる。また、映画作品のうち70~100タイトルは日本語対応となっていて、モニターに表示される映画ジャンルのメニューから選ぶことができるシステムに。クリアな画像と音質は、機内にいることを忘れるほど。画面が反射して見づらいということもなく、台詞もしっかりと聞き取れるので、うっかり眠気を忘れて2本の映画を続けて観てしまった。これは、ロングフライトであればこその醍醐味といえるかもしれない。

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〈左〉適度にクッション性のあるTUMI製のポーチには、ニューヨーク発のスキンケアブランド、マリン・アンド・ゴッツのアイテムも入っている。〈右〉音楽の力で社会貢献や環境問題を促進するためにロサンゼルスに設立されたLSTN社のヘッドフォンは、高級感が漂うデザインも魅力。簡易なイヤホンでは味わえない満足感をもたらしてくれる。

 離陸前にサーブされるウェルカムドリンクから始まる飲食サービスも、ワンランク上だ。機内食は、ビジネスクラス「デルタ・ワン」と同じメインディッシュが、機能的で美しいアレッシィの食器で提供される。日本発着便のメインディッシュで人気なのは、ミシュラン2つ星を獲得した日本料理店「一汁二菜うえの」の上野法男シェフが考案・監修した和食メニュー。四季折々の旬の食材が取り入れられた味わいは、さっぱりと重すぎないのも魅力だ。

 下の写真とは異なるのだが、私が行きのフライトでいただいた和食のメインは、さわらの西京味噌漬け。ほどよい甘みでごはんとの相性が抜群だった。さらに5つ並んだ小鉢には、わかめとたけのこの若竹煮、海老と菜の花、胡麻風味のチキンとカシューナッツ和えのタロ芋、木の芽味噌のうどん、小さな桜餅と、それぞれ搭乗した4月らしい春の味覚が。少しずついろいろというのも、女性には実にありがたい。また、「デルタ・プレミアムセレクト」では専用のキャビンアテンダントが座席ごとに真っ白なテーブルクロスを敷いてくれるのだが、これも食事時間を快適にしてくれるうれしいホスピタリティだった。

 たとえば成田~シアトル間なら約9時間のフライトで、空港で過ごす時間も合わせると、半日以上かかることになる。だからこそ、少しでも効率的に心地よく過ごせることは重要だ。旅慣れた人ほど外せないと感じるポイントの数々を、「デルタ・プレミアムセレクト」はしっかりと押さえてくれている。