エドガール:畑仕事や醸造の基礎みたいなものは、父から多くを学びました。最近では、父が私を信頼してくれて、いろいろな挑戦をさせてくれるのがうれしいです。私が今取り組んでいるのは、さまざまな樽屋さんからローストの異なる樽を取り寄せて、研究することです。もともとは祖父から父に引き継いだ樽を使っていましたが、最近は主にブルゴーニュの樽屋さんから自分で選んだ新樽を買ったりして、ロースト具合が自分のワインの味わいにどう影響するかを試しています。

明日香:(瓶内二次醗酵のために瓶詰めする直前の2018年のワインを樽から注いでもらって)ちなみに、このワインに使った樽はどのぐらいのローストですか?

エドガール:ミディアムです。正確にいうと、コルセという、ミディアムよりもう少しローストしたものですね。私自身の基準としては、最初に収穫するのがピノ・ノワールなので、まずは最も樽の影響が少ない古い樽にピノ・ノワールを入れます。さまざまな土壌の影響を受ける品種なので、収穫したものがタフなタイプのピノ・ノワールであれば、比較的新しくローストされた樽に入れたりします。ライトなタイプのものは、4~5年のミドルレンジの樽を使ったりします。例えば、ここにあるピノ・ノワールは同じ土壌で造られたものですが、異なるローストの樽に入れています。試してみますか?

明日香:ぜひお願いします! まず、果実の香りと同時に樽の香ばしい香りがしますね。

エドガール:そうですよね。このワインは、もう少し寝かせたあと、古樽で熟成させたものとブレンドしようと思っています。

明日香:こうしてドメーヌで、スティルワインをテイスティングさせてもらうことで、どういったスタイルのシャンパーニュができるかのストーリーがわかりますし、本当に貴重な体験をありがとうございます!

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〈左〉ロジェ・クーロン・ホテルの外観。 〈右〉ホテルもドメーヌも、内装は主にイザベル夫人によるもの。

明日香:(ロジェ・クーロンが経営するホテルに移動して。奥さまのイザベルさんも一緒に)素敵な外観ですし、内装も素晴らしいですね。次回はぜひ泊まってみたいです(笑)。

イザベル:ありがとうございます。このホテルとドメーヌのサロンの内装などは、私が決めたんです。

明日香:イザベルさんのセンス、抜群ですね!

エリック:(ホテルのサロンにてテイスティング)今日は3つのキュヴェを味わってもらいたいと思います。ロメはすべてプルミエクリュの畑からのブドウを使用していて、ムニエ、ピノ・ノワール、シャルドネをブレンドしています。シャルドネは樽で熟成させています。

明日香:ムニエ、ピノ・ノワールの豊かな果実味をシャルドネのキリッとした酸が支えてる感じで、ほんのり熟成感も感じます。今の季節にピッタリですね。

エリック:エスプリ・ド・ヴリニィは3品種が3分の1ずつ入っていて、こちらはすべてプルミエ・クリュであるヴリニィ村のブドウを使用しています。3分の2は樽で、残りはステンレスタンクでの熟成です。一族の所有畑として歴史あるリュー・ディのブドウのみを使っているので、最もロジェ・クーロンらしさが伝わるキュヴェだと思っています。

明日香:よく熟した果実味と溶け込んだ樽の旨味、そして柔らかい酸のハーモニーが素晴らしいです。ドザージュしてないのに、ほんのり甘みを感じます。泡立ちも柔らかいですね。