エリック:このテロワールの味わいをより楽しんでもらうために、泡立ちもほかよりほんの少し弱めにしているんです。ミレジメ2008はブラン・ド・ノワールで、ムニエとピノ・ノワールが50%ずつのブレンドです。このブドウはフラン・ド・ピエといって、接木(つぎき)してないブドウから造っています。

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〈左〉ホテルのテイスティングルームにて。 〈右〉左から「ロメ」、「エスプリ・ド・ヴリニィ・ブリュット・ナチュール」、「ミレジメ2010(テイスティングは2008で行われた)」。

明日香:台木を使わないと味わいに差が出るという話も聞いたことがあるので、興味深いです! 2008年のムニエ、ピノ・ノワールはどのような特徴ですか?

エリック:素晴らしい年で、バランスがとてもきれいに取れていると思います。収穫のときから酸度も高く、糖度も十分だったので、10年たってもまだフレッシュな味わいやアロマも残っていて、きれいなバランスに仕上がっていると思います。

明日香:活き活きとした印象もありながら、熟成からくるハチミツや、ナッツやクルミのような香ばしさも感じられて、フレッシュさと複雑さが絶妙です。余韻が長くて、いつまでも旨味がのびていく感じも大好きです。

イザベル:長いコダリーがこのテロワールの特徴と思います。普通、コダリーは香りの余韻に使う言葉ですが、味の奥行きがあって、塩味や旨味の余韻が続くときも、コダリーが長いといえると思います。

明日香:なるほど。フラン・ド・ピエで樹齢も60年以上ということで、そのような余韻がつくられているかもしれませんね。今日は貴重なテイスティングをありがとうございました。

杉山明日香
理論物理学博士。ワイン研究家。唎酒師(ききざけし)。
有名予備校で数学講師を務める傍ら、ワインスクール「ASUKA L’ecole du Vin」にてソムリエ資格試験対策講座を主宰。東京・西麻布のワインバー「GOBLIN」、パリの和食店「ENYAA Saké & Champagne」を経営するほか、ワインと日本酒の輸出入業も。東京とパリを2週間ごとに行き来する多忙な日々。著書に『ワインの授業 フランス編』『ワインの授業 イタリア編』『受験のプロに教わるソムリエ試験対策講座』など。

Photos:Yuji Ono Text:Asuka Sugiyama Editor:Kaori Shimura

前編

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