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夏の季語にもなっている「鮎」。子どもの頃には理解できなかったほろ苦い味わいが、夏の訪れを感じさせてくれる。長年の経験を活かし、鮎を極上の塩焼きに仕上げる日本料理店と、独自のセンスを発揮するフランス料理店を紹介する。

久丹
鮎そのものの味わいを、潔く仕立てる

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天然の鮎は6月にスタートし、8月中旬から末頃まで提供予定。この日は、長野の天竜川で育った鮎(写真は二人前)。シンプルな塩焼きのほか、鮎ご飯にして登場することも。

 鮎を串に刺し、強めの遠火でじっくりと20分強。炭台の上で、頭を下に傾けて焼くことで、鮎の脂が滴っていく。「頭は唐揚げ、身は焼き物、尾は干物のイメージです」と話すのは、「久丹」店主の中島功太郎さん。火を入れると、全身が黄金色に輝き、存在感を増す。炭を入れた蓼(たで)の葉の中を泳ぐような姿で提供。蓼酢は添えずに、焼き上げたものをそのままいただくのが「久丹」流だ。「鮎自身が持つ味わいを信じています」と中島さん。季節中は長野の天竜川、島根の高津川、京都の保津川、箱根の早川、静岡の狩野川から仕入れ、ゲストの期待に応える鮎をスタンバイしている。