クリエイションに関する経験を重ねて、イラストレーターに

―─そういえば、建築を学んだそうですね。

 コロンビア大学では建築を専攻していたので、日本の建築を実際に見て勉強する機会があったんです。初来日をしたときは、「ベネッセアートサイト直島」にある安藤忠雄氏が設計した地中美術館などを駆け足で見て回りました。東京にも少しだけ滞在したんですが、とても忙しい旅だったのでもう一度じっくり訪れたいと思っていたんです。

「Girl in Japan」の傘に使用されたアートワーク。参考資料のなかから、造形的に気に入った建築物をミックスしたという。主人公の女の子が訪れるのは、ストラスブルゴのブティック。

―─建築家志望からイラストレーターに転向したのはなぜですか?

 もともと絵を描くのが大好きで、4歳ぐらいからずっと続けているんです。父が黄金時代のハリウッド映画のファンだったので、私も影響されて女優たちのファッションにも興味を持っていました。でも、絵を描くのはあまりに日常的なことだったので、職業にするつもりはなかったんですよね。建築を学んだ後にインテリアデザインのオフィスで働いてみたのですが、1カ所に座って働き続けるのは私には合わなかったらしく、退屈してしまって(笑)。

 クリエイティブなことには他にもいろいろ関心があって、文学コースを取っていた時期もありました。そもそも、パリで暮らしたのもフランス語を学んだのがきっかけだし。ファッション・デザイナーに憧れて、パリのクリストフ・ルメールのPRチームにいたこともありました。そんなこんなで、いろいろと経験しながら30代を迎えたんです。

 劇的に変わったのは、インスタグラムがきっかけですね。2014年頃からインスタグラムでプライベートやイラストを公開していたんですが、それを見たNYのジュエラーが私のイラストをショールームで使ってくれたんです。そこから、ソーホーハウスやエスティ ローダーなど、さまざまなところから声がかかるようになって今に至っています。