麻布十番 味はな
スイスと日本で星を獲得した料理人による日本料理

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茨城県常陸産の蕎麦を使った十割蕎麦。ジュレにしたかけつゆ、海老、穂紫蘇(ほじそ)とともにいただく。氷をくり抜き、器に見立てた粋な演出で。

 2017年に開業した日本料理店「渋谷 ふた味」が、今年1月に移転リニューアル。「麻布十番 味はな」として、新たにオープンした。

 新たな名物のひとつが、お凌(しの)ぎとして提供されるこちらの蕎麦。毎日オープン前に、丁寧に店内で打っている。移転までの期間、何か新たなことを始めようと、店主の西山道泰さんは蕎麦打ちを神楽坂の蕎麦店で学んだ。基本は十割で、自身の好みを反映し、上品でやさしいのど越しに仕上げている。春は更科(さらしな)で打つ桜、夏は酢橘(すだち)、秋は柚子(ゆず)、冬は鴨南蛮やカラスミ蕎麦など、四季折々のバリエーションも豊富なので、訪れるのが楽しみになるだろう。

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涼しげな初夏の八寸。紹介している料理はすべておまかせコースからの一例(食材の仕入れにより2万円前後)。自家製のばちこや鯨ベーコンなど、丁寧な職人技を感じる。

 見るからに涼を感じる八寸(はっすん)。右奥から時計回りに、淡路のハモと北海道の雲丹、自家製の鯨ベーコンと蓮根、自家製のばちこととうもろこしの海老しんじょう、白だつのおひたしとベルギー産のオシェトラキャビア、モズクと大和芋、加茂茄子のふくませ煮と鴨のロース煮。いずれもお酒との相性がいい逸品ぞろいだ。アルコールは日本酒とワインを主軸に用意する。

季節の移ろいを感じる12皿で、緩急あるコースを組み立てる

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「麻布十番 味はな」店主の西山道泰氏。1963年、愛媛県生まれ。銀座「花蝶」で経験を積み、スイスの懐石料理店で腕を振るう。帰国後「西麻布 いちの」で料理長を務める。2017年に開業した「渋谷 ふた味」を、今年1月に「麻布十番 味はな」として移転リニューアル。

 移転後は、よりバージョンアップした上質な食材を惜しげもなく使い、ゲストをもてなしている。「見た目の美しさはもちろんですが、なによりも“食い味”が大切です。コースは、12皿前後。緩急ある流れで、楽しさや驚きも交えて構成しています」と語る西山さん。スイス・チューリッヒの割烹温泉旅館「兎山」の懐石料理で料理長を務めるなどの豊かな経験が、料理に存分に反映されている。

 6月から7月にかけては、ハモ、天然の鮎、毛蟹などが登場する予定。「夏季には、北海道網走の釣りのキンキをしゃぶしゃぶでご用意しますが、花山椒が美味しい季節に営業できなかった分をいい状態で保管していますので、添えてお出しする予定です」と西山さん。

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鮮やかな仕事を見ることができる全7席のカウンター。

 麻布十番の静かな一角に移転した「麻布十番 味はな」のカウンターは、手触りのいい真っさらな檜(ひのき)で、天井や壁には杉を使用。日本料理店らしい凛とした空間でゲストを迎える。座り心地のいい椅子で、食事の間中、料理が完成するさまを眺める楽しみも。

 店名は、かつて修業した銀座の料亭「花蝶」から一文字いただいたもの。エレベーターを降りると目の前に石に刻まれた店名が目に飛び込んでくるが、こちらは、オリンピックのイラストなどでも活躍する茂本ヒデキチさんによる作品。西山さんと同じ愛媛出身という縁もあるそう。

麻布十番 味はな
住所:東京都港区麻布十番3-3-4 サンピア麻布十番6F
TEL:03-6809-5516
営業時間:17:30~23:00(最終入店21:30)
定休日:日曜
※価格はすべて消費税別・サービス料10%別

Photos:sono(bean) Styling:Mariko Hiromatsu Text:Yui Togawa Edit:Mizuho Yonekawa

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