[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]

 藤原さん演じるボンベロは、凶悪な殺し屋たちからも一目置かれる孤高の存在。物語が進むにつれ、カナコや殺し屋たちへの言葉や態度から、彼流の人生哲学が浮かび上がってくる。また、はじめは恐怖に震えてばかりいたカナコも、ボンベロや殺し屋たちに触れるうちに、内面が少しずつ変化していく。こうした二人の心の動きも大きな見どころのひとつだが、今回、ボンベロ同様に難しいキャラクター、カナコを熱演したのは玉城ティナさん。蜷川さんが熱望しての抜擢だった。

「ヒロインのカナコ役を誰にするか、すごく悩んでいたんです。どうしようかなと思っていたときに、数年ぶりにティナをスチール撮影する機会がありました。それがすごくよくて、『ダイナー』をティナと一緒にやりたいなと思いました」

 物語のカギを握る大きな役であり、なおかつ原作のカナコの設定は30代の女性だったこともあって、ティナさんを起用するにあたっては、蜷川さん自らプロデューサー陣に「ティナとだったら心中できます」と懸命にプレゼンしたのだそう。

「ティナはあんなに可愛いのにどこか生きづらそうで、『自分はこの世にいていいのだろうか』と本当に思っているようなところがあって。そういう、自分の中にある陰の部分とちゃんと向き合っているところに強く惹かれます。カナコが殺し屋だらけのダイナーに放り込まれたように、ティナもキャラの濃い百戦錬磨の役者陣の中にポンと放り込まれて、ものすごく大変だったと思うんです。『ティナならできる!』と信じていたけど、あらためてやっぱり素晴らしい女優さんだなと思います」

[画像のクリックで拡大表示]

 今回、蜷川さんは脚本づくりにも参加。カナコの年齢を下げ、また男性の殺し屋、無礼図(ブレイズ)を男装の麗人に置き換えるといったアイデアを提案したほか、ボンベロとカナコの原作にはないセリフも、ほぼ蜷川さんの手によるものだ。二人のセリフには、単なるエンターテインメント作品にはとどまらない、現代の若者に対する蜷川さんの温かい思いが込められている。

SHARE

  • sp-fb01
  • sp-tw01
  • sp-line01
400

forrow us この記事をお伝えした
NikkeiLUXEをフォロー
して最新記事をチェック!

  • sp-fb02
  • sp-tw02
  • sp-in02